安倍元首相「自民党が政権取ったら、3大談話を修正」

宮沢談話・河野談話・村山談話の撤回を事実上公約
従軍慰安婦の存在を否定した橋下氏との連携を持ち掛け

 日本の安倍晋三・元首相(写真)が、日本の歴史認識に関する3大談話(宮沢談話、河野談話、村山談話)について「自民党が政権を取った場合、修正する必要がある。新たに発足する政府が新しい見解を打ち出すべきだ」と述べた、と産経新聞が28日報じた。「宮沢談話」とは1982年、当時の宮沢喜一・官房長官(後に首相)が、歴史教科書の記述をめぐり近隣諸国への配慮を約束した内容、「河野談話」は1993年、当時の河野洋平・官房長官が、慰安所の設置・管理や慰安婦の移送に旧日本軍が関与したことを認め謝罪した内容、「村山談話」は1995年、当時の村山富市首相が植民地支配や侵略戦争について謝罪した内容の談話だ。

 安倍元首相は来月行われる自民党総裁選挙への出馬を目指しており、事実上、3大談話の撤回を公約したものと考えられる。日本メディアは、今年11月ごろ行われるとみられる衆議院議員総選挙で、自民党が第1党になるとの見通しを示している。

 安倍元首相は産経新聞とのインタビューで、歴史認識に関する3大談話の撤回や、憲法改正などに賛成する勢力を集め、政界再編を推進する、と語った。また最近、従軍慰安婦の存在を否定する発言をした橋下徹・大阪市長に対し「勇気ある発言だ。一緒に戦っていける同志だ」として、連携を持ち掛けた。

 安倍元首相は在任中(2006-07年)、従軍慰安婦の強制連行を否定し、愛国心に関する教育を強化する目的で教育基本法を改正、歴史教科書の歪曲(わいきょく)を制度化するなど、3大談話を事実上無能力化した。その上で「周辺国家に対する過度の配慮は、真の友好には結び付かない」との見解を示した。なお、安倍元首相の母方の祖父は、戦犯として逮捕・起訴された後、釈放され首相を務めた岸信介氏だ。日本では最近、政治家たちが歴史問題について否定的な発言を繰り返している。野田佳彦首相も27日「従軍慰安婦が強制連行されたという証拠がない」として、河野談話を事実上否定した。

東京= 車学峰(チャ・ハクポン)特派員
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) The Chosun Ilbo & Chosunonline.com>
関連フォト