UPDATE2: 安住財務相が予算執行抑制策を発表、可能な限り執行を後ろ倒し
[東京 31日 ロイター] 安住淳財務相は31日の閣議後の会見で、今国会で特例公債法案の成立が絶望的になったことを受け、9月以降の予算執行の抑制策を正式発表した。基本的には全経費を対象とし、可能な限り予算執行を後ろ倒しし財源の枯渇を遅らせる。年度途中で執行抑制に踏み切るのは初めてで、9月8日までの会期末まで「土下座してでも成立をお願いしたい。財源枯渇は架空の話ではなく、現実の話だ」と窮状を訴えた。閣議で関係閣僚に協力を要請、正式には会期末に閣議決定する。
具体策については、地方交付税の支払いを一部先送りすることや、庁舎・現地調査費などの行政経費を毎月予算額の50%以下に抑制することや、独立行政法人・国立大の運営費交付金の支出を3カ月ごとに予算額の50%以上の支払いを抑制することなどを挙げた。
9月の支出の大部分を占め、9月初旬に地方自治体に配分する予定の約4.1兆円の地方交付税交付金については「現実的には延期することになる。少し遅れる」と述べ、一部先送りせざるを得ないとの認識を示した。一部では、1.4兆円分の支払いを10月以降に延期するとの報道もあるが、具体策については総務相と調整したうえで近く発表することになると述べるにとどめた。
一方、安保・治安関連経費や、10月に東京で開催が予定されるIMF・世銀総会など緊要性の高い外交関連経費、災害関連経費などは対象から除外。医療・介護・生活保護など社会保障給付関連経費は地方公共団体向け負担金を含め抑制は困難だとして抑制対象から除外した。
政府は今年度予算の一般会計90.3兆円のうち約4割に相当する38.3兆円を赤字国債で賄っている。しかし、発行根拠となる特例公債法案が成立せず放置すれば、10月末にも財源がほぼ枯渇するため、過去に例のない年度途中からの執行抑制に踏み切る。
財務省証券を発行して手当てする手法については、特例公債法の成立が見込めず歳入の担保がない状況で「財政法上、許容できない」と説明した。財政法で、財務省証券はその年度の歳入で償還する必要があり、税収や公債発行収入などの歳入が国庫に入るまでの一時的な資金繰りの手段にすぎないと規定している。
市場に対する影響について「不安定な財政運営をしている国とみられる可能性がある」との懸念を示し「この1週間で与野党で一致点を出してもらいたい」と述べた。一方で、「国債の元利払いは支障なく行う」と説明した。
(ロイターニュース 吉川 裕子)
© Thomson Reuters 2012 All rights reserved.