南海トラフ地震:35市町の本庁舎で津波で浸水
毎日新聞 2012年09月01日 02時30分
10メートル近く浸水する徳島県牟岐町は、代替の災対本部を設置できるような公的施設がほとんど浸水域内にあるため、高台の中学校の教室に置く計画。紀北町は、東日本大震災前から決まっていた新たな移転先も深く浸水すると予想されたことを受け、浸水域外に新たなバックアップオフィスを構えるという。
最大で町の半分近くが浸水域となる和歌山県美浜町は「(浸水域を除いた)残りは山だけで一から造成しなければいけない」といい、庁舎移転は検討していない。5、6階に伊方原発で事故が起きた際の対策拠点(オフサイトセンター)が入る伊方町役場の浸水予想は7・7メートルだが、築年数が浅いので移転しない方針という。
財政的な問題も大きい。3階建て庁舎が全て水没する可能性のある高知県宿毛市は「国の予算措置があれば移転も考えられるが、今は保育所の移転を優先しており厳しい」とし、同県東洋町も「補助制度がないため財政負担が大きく、困難だ」と訴えている。