台風15号:進路発表に改ざん疑惑 韓国気象庁

 29日に温帯低気圧に変わった台風15号(アジア名・ボラヴェン)が西海(黄海)上を実際にどのように進んだかをめぐり、気象専門家の間で論争が起きている。「気象庁が自分たちの予報内容に合わせ、台風の実際の進路を改ざんした疑いがある」との指摘に対し、気象庁は「誤差の可能性はあるが、最善を尽くして判断した結果だ」と反論し、真っ向から対立している。

 改ざん疑惑は、28日に西海を北上する台風15号の進路について、韓国の気象庁だけが世界の主要気象当局の予想とは異なるデータを発表したことで浮上した。台風の通過後、韓国気象庁は28日午前9時、午後3時、午後9時に台風の中心が東経125.6度の線上にあったと発表した。これは米軍合同台風警報センター(JTWC)、日本の気象庁が発表したデータと比べ、経度が0.8-1.1度(約90-120キロ)ずれていた。

 気象専門家のA氏は「世界気象機関(WMO)や中国、香港の気象当局も日米の発表に近かった。台風の進路予報は国によって大きな違いが出ることはあるが、台風の通過後に発表する実際の進路が経度で1度も異なるのはあり得ない」と指摘した。

 A氏によると、衛星、レーダー、映像資料とともに、台風の位置を決定する際に活用される「局地分析天気図」を見ると、改ざんの可能性がさらに高まるという。韓国気象庁のスーパーコンピューターが作成した局地分析天気図では、台風の位置は日米の発表内容とほぼ同じ地点にある。A氏は「気象庁が故意に台風15号の位置を改ざんしたのではないかと疑われる決定的な証拠だ」と指摘した。

 これに対し、気象庁の関係者は「台風の中心が実際にどこにあったかについては、WMO台風委員会で関係国が集まり、最も確かな経路を決定する。それまではどの機関の発表内容が正確かは断定できない」と反論した。

朴恩鎬(パク・ウンホ)記者
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