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“史上最大の特許訴訟”世界で展開
8月31日 14時43分

スマートフォンなどの特許を巡ってアメリカのアップルと韓国のサムスン電子が争っている裁判で、東京地方裁判所はサムスンによる特許権の侵害を認めずアップルの訴えを退ける判決を出しました。
両社はスマートフォンなどの特許を巡って世界各国の裁判所で争いを展開しており、「史上最大の特許訴訟」とも呼ばれています。

発端は去年4月、アップルが、スマートフォンやタブレット端末のデザインなどの特許を侵害されたとして、アメリカ・カリフォルニア州の裁判所にサムスンを訴えたことでした。
これに対し、サムスンはすぐさま反撃に出ます。
アップルがデータ通信の技術を無断で使用しているなどとして逆提訴に踏み切りました。
その後、同様の裁判は世界10か国(日本、韓国、オーストラリア、イギリス、イタリア、ドイツ、オランダ、フランス、スペイン、アメリカ)に広がり、裁判の件数はおよそ50件に上っています。
このうちドイツの裁判所は去年9月、アップルの主張を認め、サムスンのタブレット端末の販売を禁止する判決を言い渡しました。
一方、オーストラリアの連邦最高裁判所は去年12月、アップルの訴えを退け、サムスンのタブレット端末の販売を認めました。
また、イギリスの高等法院は先月、サムスン勝訴の判決を下しましたが、その理由は「サムスンの商品はアップルほど『クール』ではない」というものでした。
そして今月24日には、両社の地元である韓国とアメリカで裁判所の判断が下されました。
韓国のソウルの地方裁判所は、アップルとサムスン双方に対し、特許の一部を侵害しているとして損害賠償と韓国国内での一部製品の販売差し止めを命じました。
一方、アメリカ・カリフォルニア州の連邦地方裁判所の陪審は、サムスンによる特許の侵害を認め、サムスンに対し日本円でおよそ825億円の賠償を命じました。
対立が続く間、ことし5月には、アメリカの連邦地方裁判所が両社のトップに対し和解交渉を命じましたが、双方の考え方の隔たりは大きく交渉は物別れに終わっています。
両社は、スマートフォンの販売ではライバル関係にありますが、その一方で、サムスンがアップルに液晶パネルや半導体を供給する取引関係もあります。
ビジネス上のパートナーでもあるだけに、これ以上事態が泥沼化するのは避けたいという意向もあるとみられていますが、解決の糸口は見えない状況です。

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