予算:初の執行抑制へ…特例公債法案の成立困難
毎日新聞 2012年08月30日 01時15分(最終更新 08月30日 07時01分)
野田佳彦首相に対する問責決議が29日可決され、赤字国債発行に必要な特例公債法案の今国会での成立が困難になったことを受け、政府は9月から今年度予算の執行を抑制する方針を固めた。予算執行の抑制は初めてで、当面は自治体に配る地方交付税の支払い先送りなどで4兆〜5兆円の抑制を目指す。安住淳財務相が31日にも執行抑制案を示し、国民に理解を求める。国会空転で、消費増税に伴う低所得者対策の柱である「給付付き税額控除」導入に必要な共通番号(マイナンバー)法案も宙に浮き、与野党対立の激化が国民生活に影響を及ぼしかねない状況だ。【工藤昭久、清水憲司】
◇「マイナンバー」も宙に
政府は今年度予算に盛り込んだ政策の資金的裏付けとなる一般会計歳入(90.3兆円)の約4割に当たる38.3兆円分の財源を赤字国債発行で賄う予定。財務省によると、特例公債法案が未成立なまま現行ペースの支出を続けると、10月には財源が底を突き、行政サービスの停止にもつながりかねない。このため、予算の一部執行を遅らせて、財源を節約することにした。