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政治
【主張】自民党 大義なき問責でよいのか
この問責決議案に大義があるのだろうか。
自民党は28日夕、公明党と共同で、野田佳彦首相に対する問責決議案を参院に提出した。
谷垣禎一総裁は、問責決議案の可決によって特例公債法案の成立を困難にし、野田政権を解散に追い込もうという戦略を描いている。しかし、問責決議に法的拘束力はなく、野田首相はすでに今国会中の解散を見送る考えを示唆している。
特例公債法案が成立しなければ今年度予算の執行に障害が生じ、国民生活や経済に影響が出る。政権奪還を目指す責任政党が、政局の駆け引きのためにこうした重要法案を「人質」にとるようなやり方は国民に理解されない。
そもそも、問責の理由も不明確だ。谷垣氏は「内政、外交の両面で国政を進めていくことは限界にきている」と会見で説明したが、野田政権の具体的にどこを指すのか説得力を欠く。
野田政権は自民、公明両党と協力して消費税増税法成立という実績を残した。竹島や尖閣問題への対応でも問題はあったものの、問責に値するほどの落ち度といえるのか。これでは何のための問責なのか、大半の人は首をかしげるだろう。
何とも分かりづらいのは、消費税法では民主党と協力したにもかかわらず、同法が成立するや否や、手のひらを返したように野田政権批判に転じたことだ。
与党が衆院選挙制度改革関連法案を単独採決するなど、野党に挑発的姿勢をとったことへの反発もあるのだろう。それでも、政権を担える政党としての信頼の重みをかみしめてほしい。
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