TBSは30日、中国が野田佳彦首相からの親書の受け取りを留保していると報じた。TBSによると、28日から中国を訪問している山口壮外務副大臣が、胡錦濤国家主席宛ての親書を渡すため、同日中国外務省を訪問した。しかし中国外務省は、日本側からの数回にわたる要請にもかかわらず、事務的な問題点を指摘して受け取っていない。
TBSは「野田政権のアジア外交が大きく揺れている」「李明博(イ・ミョンバク)大統領宛ての親書をつき返した韓国政府に続いて野田政権は中国政府にも足元を見られた格好」と伝えた。日本政府は今月17日、李明博大統領の独島(日本名:竹島)訪問と天皇陛下に対する謝罪要求発言に抗議する野田首相の親書を韓国に送るとともに、その主な内容を事前に公開した。
日本政府は、胡主席に送った書簡の内容は公開しなかったが、日本メディアによると、日中両国間の戦略的互恵関係の重要性に言及し、尖閣諸島(中国名:釣魚島)問題などでの冷静な対応を要請したものだといわれている。
一方韓国政府は30日、独島問題を国際司法裁判所(ICJ)に共同提訴しようという日本政府の提案を拒否する口上書(外交文書の一種)を、日本政府に伝達した。
外交通商部(省に相当)の趙泰永(チョ・テヨン)報道官は、30日のブリーフィングで「(口上書で)独島は歴史的・国際法的に明白な韓国の不可分の固有領土であり、独島に関していかなる紛争も存在しないため、日本側のいかなる提案に対しても、応ずべき何らの理由もないという点をはっきり述べた」と語った。