きょうの天鐘
●天鐘(2012/08/31掲載) | |
「昔キミを収穫しました。見に来ませんか」。誘われて八戸市農業経営振興センターを訪ねた。昨年、栽培している市民から種子を入手し、今年初めて栽培を試みた▼昔キミは俗称。かつて地元の農家が作っていたトウモロコシのこと。現在では市場に出荷されるほど栽培されていない。粒が黒いのが特徴で、1本丸ごと黒いものや、白い粒が交じったごま塩状のものがある▼センターの若い職員にとっては初めて見るトウモロコシ。試食した印象を聞くと「ウーン」。食べ慣れている黄色の栽培品種に比べると粒は硬く、甘味が極めて少ない。きっと、「うまくない」と感じたに違いない▼先日、大野村の産直に昔キミが並んでいた。聞くと、地元で作っているのは1人。もちもちとした独特の食感を懐かしむ年配の人が買い求めるという。根強い人気があるとはいえ、昔キミが栽培の主流になるとは考えにくい▼トウモロコシに限らず、現在出回っている野菜の種類は多い。消費者の好みや栽培特性に優れた品種の改良が進んだ。選択肢が増え、食生活は豊かになった。しかし、昨今はそう楽観してもいられない▼野菜不足が指摘されて久しい。生活習慣病の予防や健康への関心の高まりが背景にある。サプリメントなど栄養補助食品も結構だが、基本はやはり日々の食事。厳しい残暑に体調を崩す人もおられよう。ここは多彩な野菜をありがたく食べたい。きょうは「野菜(831)の日」。 |
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