元空自隊員:米軍車にはねられ障害 賠償求め提訴へ
毎日新聞 2012年08月27日 12時02分(最終更新 08月27日 16時15分)
イラク戦争に派遣され、クウェートで米軍車両にはねられて重傷を負った元航空自衛官の池田頼将(よりまさ)さん(40)=新潟市中央区関屋=が「自衛隊が事故隠しのような態度を取り、適切な治療を受けられなかった」として、国に損害賠償を求める訴訟を9月下旬に名古屋地裁に起こすことが27日、代理人弁護士への取材で分かった。
代理人弁護士によると、池田さんは3等空曹だった06年4月、空自小牧基地(愛知県小牧市)から通信士としてクウェートの米空軍基地に派遣された。同年7月の米軍主催の親善長距離走大会で先頭を走っていて、民間軍事会社の米国人女性が運転する米軍の大型バスにはねられて意識を失い、気付いたら空自の自室ベッドに寝ていたという。池田さんは現地で適切な治療を受けられず、事故から約2カ月後に帰国した後は口がほとんど開かなくなった。今は流動食しか食べられず、身体障害者4級に認定されている。池田さんは11年、依願退職した。
代理人は「早期に帰国するなどして治療していればここまでひどくならなかったと思う。池田さんが指摘するまで自衛隊は公務災害補償の手続きをしなかった」と話している。