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治療用の細胞シート作成装置 開発
8月29日 17時51分

心臓の筋肉や目の角膜などの細胞を患者の治療に使えるよう、自動的に培養してシート状にする装置を東京女子医科大学などが開発しました。
体の失われた機能を取り戻す再生医療の普及に役立つと期待されています。

東京女子医科大学などが開発したのは、細胞を自動的に培養してシート状にする装置です。
体のさまざまな細胞を培養してシート状にする技術は、東京女子医科大学で確立され、各地の大学などで患者に移植して、心臓の筋肉や目の角膜などの機能を取り戻す再生医療の臨床研究に応用されています。
今回開発した装置は、培養液の交換など無菌室で行っていた作業工程をすべて自動化したもので、1度に10枚程度の細胞シートを作ることが可能になりました。
冷蔵庫ほどの大きさの装置は内部が無菌状態に保たれ、元になる細胞を入れると2週間でおよそ50倍に増えて、直径2センチほどの細胞シートができる仕組みです。
これまでの10分の1以下のコストで細胞シートを作れるようになることから、体の失われた機能を取り戻す再生医療の普及に役立つと期待されています。
開発に携わった大和雅之教授は「これまで細胞シートの作成には専用の部屋が必要で、1か月で1人分しか作れなかった。装置を使うと、低コストで数人、数十人分作れるようになり、再生医療の普及に大きく貢献すると思う」と話しています。

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