W杯アジア最終予選のイラク戦に向けたメンバーを発表する、サッカー日本代表のザッケローニ監督(右)=東京都文京区の日本サッカー協会で
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日本サッカー協会は30日、ワールドカップ(W杯)アジア最終予選・イラク戦(9月11日・埼玉)に臨む日本代表メンバー23人を発表した。MF本田圭佑(26)=CSKAモスクワ=、FW香川真司(23)=マンチェスター・ユナイテッド=ら主力が順当に選ばれた。守備ラインの再編やシーズン開幕直後となる欧州組のコンディションなどに不安要素を抱えるアルベルト・ザッケローニ監督(59)は、元日本代表監督でイラクを率いるジーコ監督については、あえて「関知せず」の姿勢を貫いた。
難敵イラクを率いるのは、日本サッカーを熟知する「神様ジーコ」。その知識や経験、情報網は厄介だ。しかも、ブラジル人指揮官が7勝2分けと不敗を誇った埼玉スタジアムが会場となれば大きな「関門」であるのは間違いない。そうであっても、ザック監督はその存在感を認めた上で、“無視”を決め込んだ。
「ジーコ監督の国際経験やイラクの個の能力は警戒しなければならない。3次予選でも強さを見せ、日本とは違った特長を持っている。しかし、そういった意味でも、大切なのはわれわれの試合に臨む気持ちだと思っている」
まずはDFラインの再構築だ。イラク戦では今野、内田、栗原が出場停止とあって、守備陣の「再編」は重要課題。伊野波、水本、岩政の3人からCB吉田の相棒役を選定する難解な作業が待っているだけに、「(UAE戦で)吉田の隣でプレーの機会を与えて連係を高めていき、そこからイラク戦に臨んでいきたい」(ザック監督)。
そして、欧州組のコンディション。欧州のシーズンは幕を開けたばかりだ。移籍した選手が5人いるのに加え、中軸を担う長谷部に関しては、チームで事実上の戦力外通告を受けベンチ外を余儀なくされている。ザック監督は「不安定な状況の中で重要な一戦を迎える。頭を切り替え、クラブとは異なる代表チームの役割、やり方に集中してほしい」と強調した。
敵はわれにあり−。因縁や雑音を封印して、打倒イラクへ突き進む。 (松岡祐司)
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