猛暑:渇水の懸念も 利根川水系8ダム、貯水量5割切る
毎日新聞 2012年08月30日 22時08分(最終更新 08月31日 00時30分)
これに伴い心細くなってきたのが「首都圏の水がめ」だ。1都5県(群馬、茨城、栃木、千葉、埼玉、東京)に水需要の約5割を供給する利根川水系8ダムの貯水量は30日現在、満水時の46%に低下している。有効貯水量1億1550万トンと最も大きい矢木沢ダムはわずか8%しかなく、ほとんどの岸辺や底が地肌をさらしている。
国土交通省関東地方整備局によると、夏期の8ダムの有効貯水量は3億4349万トン。7月上旬はほぼ満水だったが、上流域の8月の降水量が平年の約4割にとどまったことで、関東で取水制限を行った94年夏▽96年夏▽01年夏の有効貯水量と同レベルにまで急減した。
一方、荒川水系のダム貯水率は76%、多摩川水系は83%と利根川水系に比べると安定している。ただ、気象庁の予報では、例年なら台風がもたらす雨や稲刈りによる農業用水の需要減少で水不足の危機がなくなる9月も高温少雨が続く見通し。ダムの貯水率低下が懸念されている