国際【再び拉致を追う】第1部 めぐみさんは生きている(1) 北「死亡」シナリオの原点「知りすぎた」+(3/3ページ)(2012.8.31 02:00

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【再び拉致を追う】
第1部 めぐみさんは生きている(1) 北「死亡」シナリオの原点「知りすぎた」

2012.8.31 02:00 (3/3ページ)

 金賢姫元工作員は、大韓機爆破事件の際、金正日総書記の直筆による命令書を受けていた。ソウル五輪(88年)開催を妨害するために実行され、乗客乗員115人の命を奪ったテロを、北朝鮮はいまだに認めていない。「金賢姫」は存在しない人物、「南朝鮮(韓国)がでっち上げた偽物」となっている。

   ■ ■ ■

 金賢姫元工作員は来日時、拉致被害者と家族の支援組織「救う会」の関係者にこうも語った。「めぐみさんと八重子さんは大韓機事件という秘密に関係することがありますが、しかし他の秘密もあるのではないかと思います」

 めぐみさんについては金正日総書記一家に日常的に接していたという情報がある。総書記の元側近幹部が韓国当局者に明らかにした情報で、「横田めぐみは95年前後の1~2年、金正日の子供の一人の家庭教師をしていた」というものだ。

 2007年に脱北した元朝鮮人民軍所属の男が、拉致を実行した朝鮮労働党の工作機関、作戦部の幹部を父にもつ友人に聞いた話を救う会は重視している。

 「めぐみは見てはならないものを見ている。知っていることが多い。帰したら(工作機関の拠点である)連絡所の秘密を知られてしまう」

 めぐみさんのものとされる「遺骨」が日本の鑑定で偽物と判明したころの04年末~05年初めごろの話だという。

 めぐみさんや田口さんが「知りすぎた被害者」だったことが浮かび上がる。

 「生存情報はある。日を追って複数、情報が重なっている。情報の確度はさまざまだが、最近は被害者がいる場所の情報も入ってくる」。政府関係者はそう話し、こう続けた。「生存情報は交渉の切り札。情報を持っていることが重要だ」

     ◇

 日朝首脳会談から10年。日本人拉致事件を最初に報じた産経新聞は、被害者らの早期帰国を促すために、事件や政府対応、北朝鮮側のもくろみを改めて検証していく。

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