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8月の始業式、広がる…授業日数を確保

 小中学校で、2学期の始業式を8月中に前倒しするところが目立ってきた。学習指導要領が新しくなって指導内容や授業時間が増え、授業日数を確保するためという。今年は9月1、2日が土、日曜のため従来なら同3日からだが、早い学校では27日、新学期がスタートした。

 文部科学省によると、昨年度から今年度にかけて指導要領が改定され、授業時間が小学校で年70〜35時間、中学でも年35時間増えた。

 滋賀県では、小学校228校中90校(39%)、中学100校中55校(55%)が8月最終週から始業。同県草津市の市立小中は全19校が昨年度から2学期の始業式を1週間前倒ししており、今年度も27日に実施した。

 市立玉川中でも、生徒たちが元気に登校した。1年の男子生徒(13)は「宿題を済ませるのが大変だった。夏休みが減るのは残念」と休みが名残惜しそう。3年女子生徒(15)は「これから受験勉強に励まないといけない時期だから」と、気持ちを引き締めていた。

 大阪府でも小学校621校中254校(41%)、中学290校中148校(51%)が8月に前倒し。京都府も2学期制の学校を除く公立の小学校236校中180校(76%)、中学100校中79校(79%)が8月中に授業を始め、いずれも過去最多。京都府教委は「今年は大幅に増えた」という。

 必要な授業時間が増えたことについて文科省は、「授業日数を増やさなくても対応できる範囲だ」とし、学校独自の行事を削るなどして対処してほしいとの考え。兵庫県は、始業式は変えず、1週間あたりの時間数を増やしたり、行事をなくしたりしているという。

 国立教育政策研究所教育政策・評価研究部の葉養(はよう)正明部長は「無理に詰め込んで授業すると教科書の発展、補充的な内容にまで手が回らず、習熟度に差が出かねない。余裕を持って教えるには、ある程度、2学期を前倒しする学校が出てくるのは仕方がないだろう」と話している。

2012年8月27日  読売新聞)
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