県警国際捜査課などがカメルーン国籍の中古家電買取業、ティゴング・ポール容疑者（４７）を詐欺未遂容疑で逮捕していたことが２９日、分かった。逮捕は７月１０日。横浜地検は同３０日に詐欺未遂罪で起訴した。

　逮捕容疑は、別の外国人とみられる男と共謀して今年７月８日、横浜市青葉区の会社社長の男性（６０）に対し、「日本がアフリカの途上国に援助した２億円を、特殊な薬品で黒色紙片に偽装し日本に持ち込んだ。元に戻すには高価な薬品が必要」と言い、男性から１５００万円をだまし取ろうとした、としている。

　同課によると、ポール被告らは男性の前で、１万円札に透明な薬品をかけて黒くした後、白い粉をすり込ませたり、黄色い薬品をかけて元に戻すのを見せ、信じさせようとした。２億円の３割を男性の取り分とし、薬品代も返還するとも説明していたという。

　不審に思った男性が知人と協力してポール被告を都筑署に連れて行き、逮捕となった。ポール被告は「道具は用意したが、犯行は知らない」と否認している。途中で姿を消した男も詐欺未遂容疑で逮捕状を取り、行方を追っている。【山下俊輔】