skip to contents.

FAQ/お問い合わせ

FAQ(よくある質問)

国際的詐欺事件について(注意喚起)

ある日突然、まったく面識のない海外の人物や法人から「これは儲かる!」と思える話が舞込んで来たことはないでしょうか。近年、日本国内では「振り込め詐欺」が話題になっていますが、海外からはより巧妙な手口でアプローチしてくる無数の詐欺団が存在し、被害に遭われた方からの相談も年々増加しています。
ジェトロでも再三にわたって注意喚起を続けておりますが、詐欺の被害を防ぐためには皆さまご自身の冷静な判断、毅然とした対応が必要不可欠です。
以下、ジェトロに寄せられた相談の中から、代表的な事例とその対策を紹介します。詐欺の手口は年々巧妙化しており、ここで紹介する手口とは異なる詐欺の発生も考えられますが、詐欺対策知識の一つとしてご活用ください。
また、海外との取引において疑問や不安があれば、お近くのジェトロ、あるいは貿易投資相談BOXからジェトロ東京本部ビジネス情報サービス部ビジネス情報サービス課にお問い合わせください。

419詐欺

典型的な例としては、海外の政府関係者・軍の高官やその親戚を名乗る人物から、賄賂や資金流用、遺産相続等で得た秘密資金の送金のために貴方の銀行口座を貸してくれれば、資金の一部を謝礼として渡す旨持ちかけられ、手数料等と称して言葉巧みに金品を騙し取ろうとする手口です。
1980年代の発生当初、アフリカ西部のナイジェリアを舞台に世界的広がり、通称「419詐欺事件(ナイジェリア刑法419条に抵触する犯罪)」や「ナイジェリア詐欺」と呼ばれています。情報の発信元は、ナイジェリアに限らず世界各地に広がっているため注意が必要です。

【具体的な手口】

  • 各国の政府・軍・公社の高官、元高官やその親族と名乗る人物が、秘密資金の海外送金のために、貴方の口座を貸してほしいと持ちかける。謝礼として、送金資金の一部を提供すると続く。
  • コンタクトの理由は、過去の先方国でのビジネス実績、自社を知る知人の紹介など。
  • 手数料等と称して、資金(1回につき数千~数万ドル)を先方の指定する口座に振り込むよう繰り返し指示され、数回~十数回振り込むと連絡を絶つ。

上記「マネーロンダリング型」と呼ばれる詐欺の他に、宝くじに当選し、当選金の受け取りには手数料が必要と称して金を騙し取ろうとする「インターネット宝くじ型」、黒く塗りつぶされた米ドル紙幣(黒紙幣)を目の前で元通りにする手品を目の前で見せて相手を信用させようとする「黒紙幣型」、貿易取引や政府の調達に見せかけて金を取ろうとする手法(貿易取引に偽装のケースは下記「貿易取引型」を参照)、中古レール払い下げの政府広告実物を用いて話が本物であるように演出して相手を騙したり、公的機関が運営するビジネスマッチング支援サイトやインターネットオークションサイトの質問欄を通じてのアプローチ等を図るなど、様々な手口が報告されています。
419詐欺の事例、手口の詳細については「419詐欺について」もご参照ください。

【対策】

  1. むやみに誘いに対して反応・返答しないことが第一です。断りのメールも返信の必要はありません。むやみに反応すると、メールアドレスが有効なものである事を相手に伝え、「この様な誘いでも目を通して律儀に反応してくれる詐欺被害者予備軍」と認識され様々な詐欺メールが送られてくるようになります。
  2. 万一返答を送ってやり取りを進めてしまっている段階で詐欺であると気付いた場合、その後一切先方へ返信・連絡しない事が第一です。理由をつけて断りを入れると、その理由を除去するため「詐欺ではない」と言葉巧みにアプローチが続きます。しばらく相手にしなければ、「時間の無駄」と相手からのアプローチも無くなります。
  3. 先方から手数料を要求され、どうしても諦めきれない場合は、先方に手数料分報酬を減額してもよいのでこちらからは一切送金は行わないと突っぱねましょう。巨額の報酬の送金を持ちかけている人が、手数料の負担も出来ないと話しているのはおかしな事です。
  4. 先方から送金のために、口座番号とパスワード(暗証番号)等が必要と言われても絶対に教えてはいけません。教えたために残高をすべて引き出されてしまったケースもあります。

貿易取引型詐欺

ウェブサイトで貴社の商品を見た、知人に貴社のことを紹介された等といって商談を持ち込み、手数料や税金、弁護士費用等と称してお金を搾取したり商品を騙し取ろうとする手口です。貿易取引の経験が浅い人に、日本語で取引を持ち掛けられるケースもあります。通常の商取引の様に巧みに偽装しているケースも多く、注意が必要です。

【具体的な手口】

  • Webやダイレクトリーで会社概要や製品を見た、人づてに貴社の評判を聞いたなどとして接触し、通常の貿易取引を装いつつ多種多様な製品の大量発注を持ちかける。
  • 決済手段としては、政府の為替規制を言い立て現金(電信為替)後払い、または先方国や欧米系の大手銀行の小切手を用いる。後者については商品発送前に輸出業者に届くが、 商品発送後に銀行に持ち込むと、偽造・盗難小切手と判明、決済不能に。荷足の速い国際宅配便利用を条件に、その送り状(Airway Bill)コピーをFAXすれば24時間以内に電信為替送金するとし、実際には送金せずに商品を詐取する事例も増加している。
  • あるいは、大型商談であることをエサに、輸入手続や決済外貨の準備、契約書作成時の印紙代等で当座の資金が必要と、前渡し金を要求。先方指定口座に数回~十数回振り込むと連絡を絶つ。
  • 商談名目で渡航させ、拉致監禁。身代金を要求されたり、渡航者が殺害された事例もある。
  • 引き合いに際し、「大量注文を検討したいので」、「見本市に出品するため」、「政府の外貨割り当てを受けるため」などと称して、サンプルの送付を要求し、サンプルを取得するケースもある。対象となる商材は小型の高額商品(高級家電等)が多い。
  • インターネットオークションの出品物に対して、好条件の売買取引を質問フォーム等から持ちかけ代金を支払わず、個人から商品を搾取する。

【対策】

  1. 決済方法は現金前受け、前金の電信為替振り込みとします。
  2. 偽造・盗難小切手による被害もあるため,小切手での決済は避けます。
  3. 先方前払いでは交渉がまとまらない場合、信用状(L/C)を使用することとして、L/Cは「Confirmed Irrevocable L/C」(確認付き取り消し不能信用状)に基づき行い、開設銀行は信用ある欧米系大手銀行を指定する。さらに入金の確認は自分で行い、支払いが確実となってから商品を発送します。
  4. 先方から送金や契約等の手数料を要求され、どうしても諦めきれない場合は、先方に手数料分代金を割引するので、こちらからは一切送金は行わないと突っぱねましょう。
  5. 本物の貿易取引であるか真偽を判断するために、相手側の信用調査は有効な手段になり得ます。特に治安の悪い国に出向いて商談を行う際には、その必要性を十分に検討し、相手側の信用を十分に確認の上で行うようにしましょう。また、詐欺団が信用のある企業名を語ってアプローチをしてくる場合もありますので、公開されている本社の所在地や電話番号等からコンタクトが取れるかどうか、また商談途中で企業名や連絡先が変更されないか等、注意が必要です。

国際入札勧誘型詐欺

上記の貿易取引型詐欺と同様に政府機関や国際機関が実施する入札案件への共同参加等を呼びかけ、入札参加費用、弁護士費用や契約書作成費用等と称して前渡し金を搾取する手口です。

【具体的な手口】

  • ナイジェリアのNDDC(ニジェールデルタ開発委員会)やECOWAS(西アフリカ経済共同体他のサイトへ)等が行う国際調達入札への参加勧誘が舞い込む。
  • 詐欺団は、政府機関の具体的部署名と幹部を知り合いとして語り、共に入札に参加すれば落札は確実であると誘惑する。
  • さらに偽造文書や架空の連絡先を示して自ら確認するよう仕向けるなど、話を信じ込ませるため様々な手段を講じてきます。
  • 入札後、落札を伝えてきた詐欺団は、契約書を早急に作成するべきであり、弁護士選任費用等と称して数千ドルを送金するよう要求します。

【対策】

対策は上記「貿易取引型詐欺」「419詐欺」と概ね同じです。入札期間が不自然に短かったり、過度に有利な条件が付いている時点で疑うべきことです。
さらに言えば、巨額の商談を持ちかけている者が、契約手数料や諸税も負担できずに商談が先へ進めないとしている時点でビジネスパートナーとして如何なものでしょうか。こちらからは一切送金は行わないと突っぱねましょう。しばらく相手にしなければ、「時間の無駄」と相手からのアプローチも無くなります。

投資型詐欺

海外での不動産投資や開発その他、架空の投資話を持ち掛け、出資金を騙し取ろうとする手口が典型例です。国内でも時々架空の出資話を持ち掛け詐欺となる事例が報道されていますが、誰もが飛びつくような高利益・高配当の話は裏があると警戒して慎重に判断することが肝要です。

査証取得詐欺

貿易取引等を装ってコンタクトをしてきた外国人が、商談目的での渡航を申し出、ビザ取得のための推薦状(招へい理由書・身元保証書等)を取得して日本に不正入国を図るものです。通常の取引と判別は難しいものですが犯罪行為に悪用される恐れもあり、取引先企業の信用や、業界の事に詳しいかなどを確認し、取引の持ちかけが架空のものでないか事前に出来る範囲で確認することが望まれます。

国際結婚型詐欺

インターネットの出会い系サイトやソーシャルネットワーキングサービス(SNS)などを通じて知り合った英国国籍などと名乗る男性から、結婚を申し込まれ、その後様々な金銭的要求が出てくる「詐欺」と思われるケースがあります。
マレーシアへの振込みを要求するケースもあり、在マレーシア日本国大使館でも、以下の通り、注意喚起を行っています。
在マレーシア日本大使館「日本人被害に係る振り込め詐欺被害等の発生」他のサイトへ

【具体的な手口】

  • インターネットで知り合った英国国籍と名乗る男性から、結婚資金として小包で送った現金や親族への高価な贈り物が、積み替え港のマレーシア税関で差し押さえられ、その関税や解除金として金銭を要求。(犯人グループの別の者が現地の通関業者を装い、ニセのホームページまで作成して、その通関業者とやり取りさせるという手の込んだケースもあった。)
  • 送った貨物の保険料として金銭を要求。
  • マレーシアで新たなビジネスのための機械を購入したが、持っていたカードが使用できないため、機械代金の立て替えを要求。
  • 別れた前妻との間の子供が重病で、その入院費用と治療費を要求。
  • 弁護士と名乗る者から、あなたの婚約者がマレーシア当局で拘束されたといって、その開放のための弁護士費用を要求。

【対策】

  • 上述の例と類似のケースが発生した場合は、慎重に対応し、金銭を要求されたときには安易な送金を絶対に行わない(最初は少額の場合でも、一度支払いに応じると、次々に要求され、要求額が次第に高額になるというパターンが多く発生している、また「すぐにお金が必要だ」という相手のセリフに惑わされない)。
  • 相手から結婚を申し込まれるとき、相手が他人の美形男性の写真を送ってくることがあるので注意する。
  • 積み替え港で当該積み替え港に税関から関税を要求されるということは絶対にないので、この手の支払いには絶対に応じない。

詐欺に遭われてしまったら
詐取等の被害に既に遭われてしまった場合、残念ながら事後に取れる対策は殆どありません。日本の行政権は海外では通用せず、仮に相手国政府に対策を求めたとしても、海外においては、警察の力が末端まで及ばない地域も存在し、詐欺対策よりも強盗殺人などの凶悪犯罪の軽減と治安回復が先ず求められる地域もあるのが実情です。詐欺団を肥え太らさせて新たな被害を生まないためにも、詐欺に引っ掛からないことが重要です。
万一詐欺に引っ掛かってしまった場合、自社の資金繰りを確認しこれ以上被害を拡大しないために早目の検討が必要となります。資金繰りに問題を来たしてしまった場合は、弁護士等に相談し法的整理を含めた検討が必要となる場合もあります。万一この様な苦境に遭遇しても、同じような苦境を経験しその後再起している人も大勢いますので、再起に向けて何が出来るのか、前向きに落ち着いて考えることが大切です。

印刷このページの上へ