いろいろ環境
この人にインタビュー
大歳 卓麻 さん
日本アイ・ビー・エム社長
今日はいつものインタビュアーみえこちゃんのかわりに、ぼく、はっぱくんが日本・アイ・ビー・エム社長の大歳さんにインタビューをします! |
Q.はっぱくん 日本IBMさんって環境経営度ランキングNO1ですね。他の会社と比べて、日本IBMさんは、ここが違うんだ、というところは、どんなことですか? |
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A.大歳さん 大変高くご評価いただき嬉しく思っています。まだまだ不十分な点はたくさんありますが、仮にご評価いただいた点があるとすれば次の3点くらいではないでしょうか。 まず第1に、IBMは1960年代から環境対応を継続的に進めてきたことだと思います。特に1980年代になって環境問題が顕著になってからは、徹底した環境対応を進めています。例えば、全世界のIBMの事業所において地下に設置していたタンクは1978年から1980年にかけて、すべて地上に設置し直しました。地上にあれば、化学薬品等の液もれも外から目で見て点検できます。さらにそのタンクの周りをプールのような大きな設備で囲っていますので、万一タンクからもれてもそのプールで流出を止めるので土壌や地下水の汚染を防ぐことができます。また、地球温暖化対策も、IBMでは全世界の事業所で、1990年から毎年4%の省エネを目標に掲げ、実際に達成しています。 第2は、世界全体で統一して環境対応を進めていることです。例えば、同じIBMの製品であっても、日本で作った製品は環境への配慮がされているのに、別の国で作ったものは環境への配慮がされてない、ということはあってはいけません。IBMでは、ISO14001を統合認証という形で取得しています。これは世界中同じ基準でISO14001を取ることで、規制のゆるい国においても欧米や日本と同じ厳しい基準で環境対応をおこなうことを意味しています。世界同一基準の製品を作っている企業は多いと思いますが、製造工程や工場の管理についてまで、世界同一基準で環境配慮をしている企業はまだ少ないのではないかと思います。 第3は、IBMでは開発・製造系事業所はもとより本社・営業系事業所においても全社員が参加する徹底した環境対応を行っていることです。環境対応を経営の仕組みに組み込んでいるので、一人一人の社員は意識する、しないにかかわらず環境対応ができるようになっています。例えば、各自のゴミ箱のゴミは各自が所定の分別箱に持ち込むようになっていますが、リユースの箱と分別ゴミの区分は15以上に上ります。また、省エネのために残業時間帯の夜8時以降は1時間ごとに全館の照明を強制的に消し、残業している社員が改めて自分の仕事に必要なエリアだけに照明をつけるようにしています。 |
Q.はっぱくん 大歳社長さんの考える「環境経営」とは、どんなことですか? |
A.大歳さん 部分的に意識して環境対応をするのではなく、経営システムとして環境配慮を組み込み、社員個々人の意識の高低に左右されることなく、企業全体として環境配慮が充分になされることだと思います。IBMのような大きな企業では「あの事業所には〇〇さんがいるから、こんなに環境対応ができました」では困ります。全社で、長期的に、あらゆる製品、工場で同じように環境配慮をすることは良き企業市民としてとるべき行動であると同時に、経済的にも合理性があります。 |
Q.はっぱくん 日本IBMさんが日本で初めて導入した「環境会計」が日本で広がりつつあります。これからどのような広がりを期待しますか? |
A.大歳さん IBMは全社的に1986年から環境会計データを集めていました。外部に報告する目的ではなく、環境への取り組みに要する投資額や経費を集計し、投資効果と対比させることで環境への投資判断に役立ててきました。過去15年以上のデータがそろっているのでこれまでの比較が容易であり効率的な環境経営に役立っています。今後、企業の業種・業態、企業規模、環境取り組みの成熟度によって、それぞれの企業、団体、組織において独自の環境会計や環境管理会計が発達していくものと思います。 |
Q.はっぱくん 三重県の環境というとどのようなイメージがありますか? |
A.大歳さん 北川知事自らがリーダーシップを発揮され、環境先進県創りを進められているというイメージがまずあります。ISO14001の全機関での取得やごみ箱ゼロへの挑戦、企業環境ネットワークの構築、全国初の産業廃棄物税の創設など具体的で着実な取り組みを進められていることに敬意を払っています。 |
Q.はっぱくん IBM環境シンポジウム開催にあたって、三重県のみなさんにメッセージをお願いいたします。 |
A.大歳さん 循環型社会形成に産・官・学・民が協業することがますます重要になっていると思います。今回の「IBM環境シンポジウム」では、循環型社会形成に果たす産・官・学・民の役割を討議いただくパネル・ディスカッションなどとともに、弊社およびご協賛企業の先進的な環境ソリューションをご紹介させていただきます。皆様のご参加をお待ちしています。 |