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【大リーグ】

ダル 球団新人記録の13勝目 スプリット多投で大変身

2012年8月30日 紙面から

◇レンジャーズ1−0レイズ

 【アーリントン(米テキサス州)大城和美】スプリットで大変身!! レンジャーズのダルビッシュ有投手(26)が28日(日本時間29日)、地元でのレイズ戦に中10日で先発。今季初めてスプリットフィンガード・ファストボールを多投するなどして毎回の10三振を奪い、7イニングを6安打無失点で球団新人記録の13勝目(9敗)挙げた。試合には宮城県の被災地の子どもたちが招待され、しっかりと白星を贈った。年間8度の2桁奪三振は球団では現球団社長の豪腕ノーラン・ライアンがマークした1990年以来で、こちらも球団では新人最多となった。

 “ニューダルビッシュ”の誕生だ。その武器は、フォークボールより浅く挟んで握る140キロ台のスプリット。高速で鋭く落ちる球にレイズ打者のバットがクルクルと回った。

 「今日は良かった。球威もコントロールも良かった。カーブとスプリットに関しては、すごくいい球が投げられた」。10奪三振のうち、スプリットで奪ったのは6つ。7回にジェニングズを遊飛に仕留めてベンチへ向かうと、3万700人の地元ファンは総立ちで拍手を送ったが、ダルビッシュはさも当然と言わんばかりに無反応だった。

 中10日というブランクを全く感じさせなかった。右太ももの張りで23日の先発登板を回避してこの日の試合に臨んだが、ワシントン監督は「米国に来て『みんなを感心させよう』と意気込んでいたが、ここに来て自分の投球だけに集中している」とコメント。これを伝え聞いたダルビッシュも「監督の言う通り、あまり周りのことを気にせず、四球とかも気にせず、打者をどうアウトに取るかだけを考えて投げた」と笑った。

 その言葉を象徴する場面が4回だ。四球が絡んで1死満塁のピンチを迎えたが、「目の前の打者と勝負することを楽しめた」。9番ロバトンを速球で一塁ゴロに打たせ、自身は軽快な動きで一塁ベースにカバーに入って「3−6−1」の併殺に仕留めた。

 4回までは毎回走者を背負ったものの、このプレーがきっかけでエンジンがかかった。5回以降はスプリットが低めに集まり、3イニングとも2奪三振ずつ。これまではスプリットを勝負球に使っていなかっただけに、敵将マドン監督も「ベンチからだと低く見えた球をみんな振らされていた。よほど変化が鋭かったんだろう」と“秘密兵器”にシャッポを脱いだ。

 13勝と年間8度目の2桁奪三振は、ともに球団新人の新記録。シーズン終盤に向けてスプリットを軸にした新たな投球術がみられそう。じっくり静養して臨んだマウンドで大きな収穫を得た。

 

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