名古屋グランパスの練習に参加していた阪南大4年のDF本多勇喜(21)の獲得が29日、事実上内定した。2日間の練習参加を終えて首脳陣の評価は上々。9月中にも予定されている“最終テスト”の練習試合を経て、正式オファーを出す方針だ。グランパスU−18出身の本多もグランパスへの“復帰”を熱望しており、クラブ史上初のUターン入団は確実だ。
異色のルーキーが誕生しそうだ。29日の練習で行われた6対6の変則ミニゲームで、本多は相手チームにいたDF闘莉王にも気後れせずに向かっていった。練習を見守っていた久米GMは「本多はいいね。フィジカルが強いし、ジュロヴスキーヘッドコーチもほめていた」と合格点を与えた。 一緒に練習参加したMF望月嶺臣=野洲高3年=とともに次は練習試合に呼び最終判断を下すことを示唆したが、評価の高い本多については正式に獲得へ乗り出すことが濃厚だ。
本多にとってもグランパス入団は願ってもないこと。愛知県一宮市出身で、グランパスU−18でプレー。「当時は自分でもトップチームに昇格できるとは全く思わなかった」と振り返る4年前は、力不足で大学へ進んだ。それでも同期のMF磯村がグランパスで活躍するのを見て「刺激になった」と腕を磨いた。4年でレギュラーを奪い、一気にプロ注目の選手へと成長した。
本多はJ2湘南の練習にも参加しているが、心はすでに決まっている。「戻りたいと思っています」と明言。練習後にはストイコビッチ監督から「また会うのが楽しみだ」と声をかけられた。“落第”からはい上がった男が、再び赤のユニホームに袖を通す。 (木村尚公)
【本多勇喜(ほんだ・ゆうき)】 1991(平成3)年1月2日生まれ。愛知県一宮市出身の21歳。173センチ、65キロ。岐阜VAMOSからグランパスU−18を経て阪南大へ。今年7月の総理大臣杯では11年ぶりに優勝を果たした。攻撃力が持ち味の左利きの左サイドバックで、大学ではセンターバックも務めている。
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