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2012年8月6日7時1分

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被曝隠し「以前から」証言続々 車内に放置や預かり役も

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図:被曝隠しの主な手口拡大被曝隠しの主な手口

 東京電力福島第一原発で働く30代男性は今年5月、原発構内の免震重要棟の駐車場に止めたワゴン車の後部座席に約20組の「3点セット」を見つけた。その日の被曝(ひばく)線量を表示する線量計「APD」、長期間の累積線量を測るバッジ型線量計、そして作業員の身分証がひとくくりに束ねられていた。3時間後にのぞいてもそのままだった。被曝線量の限度を超えたら原発で働けなくなるため、線量計を残して現場へ向かったと確信した。その後も同じ光景を5回ほど見たという。

【特別報道部から】原発で働いた経験のある方から労働の実態について情報を求めます

 40代男性は3〜4月、同じ駐車場で特定の車の中に10組以上置かれているのを10回ほど見た。別の車内で見かけたこともある。

 東電は被曝隠しについて「把握したことはない」としてきたが、今月3日に下請け作業員がAPDをつけないで働いたと発表。過去に同様の事例があったと記者会見で認め、調査に乗り出す方針を明らかにした。

 鉛カバーによる被曝隠しを報道した後、原発で働いた人の体験談が相次いで寄せられ、10人以上が取材に応じた。その証言から、昨年の原発事故の前から各地で被曝隠しが横行していた実態が見えてきた。(青木美希)

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