南海トラフ地震被害想定:東海3県の死者、最悪6万6千人
毎日新聞 2012年08月30日 01時57分
東海から九州沖を震源域とする「南海トラフ巨大地震」について、中央防災会議の作業部会と内閣府の検討会が29日、死傷者や浸水域など被害想定を発表した。関東から九州の太平洋側が最大34メートルの津波と震度7の激しい揺れに見舞われ、最悪のケースでは死者32万3000人、倒壊・焼失建物が238万6000棟に上り、1015平方キロが浸水する。内閣府は「発生確率は極めて低く、対策を取れば被害を減らせる」と冷静に受け止めるよう強調している。
死者数最悪のケースでは、東海3県で計6万6200人が犠牲になるとの想定だ。
三重県は4万3000人で、74%の3万2000人が津波被害者とされた。愛知県は2万3000人で、65%の1万5000人が建物倒壊の犠牲になる。岐阜県は約200人で、ほとんどが建物倒壊による。負傷者数は最大で愛知10万人▽三重6万6000人▽岐阜5000人。
一方で耐震化など防災対策を徹底した場合の死者数は、三重4600人▽愛知3200人▽岐阜10人−−と9割前後減少する。