スロガイ☆フラグ

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木村魚拓「三十男のピロートーク」
玉やコインを流すと、店員からおしぼりを手渡されるのが、まるでホール内におけるルールの一環のようになっているが、もらったおしぼりを手にぼんやりしてしまうのは、どうやらまだ大人になりきれていないのが理由のようである。


おしぼりで拭いたぐらいでは、目に見える汚れは落ちても、目に見えぬ汚れまではぬぐえない。我々に本当に必要なのは、おしぼりではなくミューズである。「おつかれさまでした」の言葉とともに、薬用石鹸ミューズを用意しておくのが本当の意味でのサービスではないかと、手にしたおしぼりを持て余す私の横で、優しい目をしたお爺さんは堂々とぬぐっていた。


顔、首筋、脇の下、慣れた手付きでゴシゴシ擦ったその後に、ズボンの中におしぼりを突っ込み、股間を堂々とぬぐっていた。手の汚れなど、汚れの世界では脇役だと言わんばかり、一心不乱に股間をぬぐっていた。


そうか、おしぼりは手をぬぐうだけのものではなかったのだ。酒や煙草やパチスロではなく、おしぼりこそが大人か子供かを最も簡単に見分けるリトマス試験紙。私も躊躇することなく股間をぬぐえる、立派な大人に早くなりたいだなんて、思うわけないだろバカ野郎。お爺さん、回り回って私が手にする可能性もあるおしぼりなんだから、股間とかホント勘弁してください。




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09:11 | 木村魚拓「三十男のピロートーク」 | - | -|
木村魚拓「三十男のピロートーク」
最近、最もダメージを受けたこと。それは改札を出たところで若い女子2人組に呼び止められたのがきっかけだった。


「すいませーん,写真撮ってくれませんか?」


幼少の頃、街中で外国人プロレスラーを見つけ、サインをもらおうと無我夢中で駆け寄ったところ、シッシッといった感じで追い払われた。テレビで見るのとはまるで異なる、ヒールのようなリアクションに子供心にショックを受け、その年の七夕、短冊に「将来レスラーになって●●●を血祭りにあげる」としたためると同時に、もしも自分がその立場になったら、ファンの求めには快く応じようと誓ったのであった。


レスラーにはなれなかったが、今もその誓いを忘れることはない。こんなパーマでよろしければ、ちょっと足を止めることで笑顔が生まれるのならば、おっちゃんハイ喜んでと、サインを書き、ポーズを取るぐらいのことはする。


だから、声を掛けてきた方の女子の肩を抱き、いつものように舌を出した。笑顔でペロッと舌を出したままシャッターが切られるのを待っていたのだが、カメラを持つ女子は構えようともせず、舌を出したままよくよく見れば、肩を抱いている方の女子も怪訝そうな顔をしている。


「あ、あの、私達2人の写真を撮って欲しいんですけど…」


うん、そうなのだ。私なんぞまだまだであることを痛感しながらのナンパに見せかけた弁解は、精神的ダメージが本当に大きかった。






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13:06 | 木村魚拓「三十男のピロートーク」 | - | -|
木村魚拓「三十男のピロートーク」
わかっている。毎度お馴染みチリ紙交換ならぬ少々遅れての更新であり、弱気なトーンがお似合いであることはわかっているが、それをわかっていてもなお、縦のものを横にもしない家族は腹立たしいが、横のものを縦にする友人もまたカチンとくるのだということを、強く主張したい私なのである。


友人Sがフリーマーケットに出店すると聞き、ゴミ袋一杯分の服と一足の革靴を託した。服に関してはどうでもいい。いくらでさばいても構わんが、10万近くしたこの革靴だけは、せめて2万は取ってくれとの言葉を添えて。


数日後、ほんのり日焼けしたSは、いつものショボい居酒屋で息巻いていた。ほとんど全てのものを売り切った、オレもやる時はやるんだと、鼻の穴をおっぴろげて言うからには、気になるのは例の革靴である。「いくらで売れた?」、私がそうたずねると、申し訳なさそうに指を3本立てた。


も、もしや3万円! いやまさか…。その割には表情が今ひとつ冴えなかったが故に、本当のことを言え、怒らないから正直に言えと迫ったところ、彼は指を3本立てたまま、手刀よろしくその手を縦にした。こちらから見ると、それは「3」ではなく「1」だった。


1万円か…。最低でも2万は取れとあれほどキツく言ったのに、どうしてそんな安値で売るんだバカ、そもそも縦にしたその手はなんなんだと冗談交じりに責めたならば、彼は静かに首を横に振った。


縦にした手が示すは確かに1。しかし単位は万ではなく千であった。




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08:47 | 木村魚拓「三十男のピロートーク」 | - | -|
木村魚拓「三十男のピロートーク」
スロ屋へ来る前に永ちゃんのドキュメントでも見てきたのか、目立ちたい、輝きたい、そのためにはどうすればいいかと繰り返し聞いてくる若者をちょっと待ってと制止して、トイレへ駆け込み、チャックを下ろした瞬間にギョッとした。


男子用便器の形状があまりに特別なのである。スタイリッシュに過ぎて金隠しがないのである。つまり、隣の人のチンコは言うに及ばず、自分のチンコも丸見えなのである。


これが駅ならおそらく心配は無用だが、ここはスロ屋、ある意味私の仕事場であり、用を足している最中に声を掛けられる可能性は低くない。


その確率の低くない当たりを引いた時、私はどう対応すればいいのか。「なんだバカ野郎」、荒井注よろしく強気な受け答えをしたところで、さほどでもないチンコをさらしておいて何をか言わんやである。


ただ、その心配は杞憂に終わった。用を足す間、隣に人が来ることはなかったが、さらなる問題が私を待ち受けていた。


蛇口が見つからないのである。便器ばかりか洗面台まで特別な仕様のせいで、どこをひねれば水が出るのかサッパリわからないのである。


間の悪いことに、その時、私の指には小便がひっかかっていた。人が来る前に済ませようと、十分な準備をせぬまま放尿を始めてしまったため、小便の描く放物線が左の指に触れてしまったのだ。


急いで洗わねば…。蛇口が見つからずにオロオロする四十男の姿を、キミは想像してみるといいだろう。何も特別でなくていい。普通でいいやと思うはずだ。







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11:33 | 木村魚拓「三十男のピロートーク」 | - | -|
木村魚拓「三十男のピロートーク」
分が悪いのはわかっている。ならば実際の勝率はどれほどのものなのか、戯れに対サウザーの戦績を勝ち勝ちくんでカウントしてみた。


本来、ゲーム数をカウントする黒いボタンが対戦回数、勝利したら白星の白、負けたら流血になぞらえ赤いボタンを押すことにして遊技を進めた結果、黒が12、白が0で赤が12。12戦全敗、まさに血まみれである。


ケンシロウでは歯が立たないとなると、サウザーには誰をぶつければいいのか。個人的には飛んでよし、寝てよしの武藤といきたいところだが、ご承知のように武藤は膝に爆弾を抱えている。やり口が汚い奴のこと、当然の如くウィークポイントを狙ってくるであろうことを考えれば、ここは武藤ではなく長州をぶつけたい。


いつだったか、筋トレによって近寄りがたいほどパンプアップした友人が、長州の身体を間近で見て「バケモンだ…」と絶句していた。「あのバケモンに比べれば、オレはポケモンだよ…」などとうまいことも言っていた。


バケモンにバケモンと言わしめるほどの肉体から繰り出されるリキラリアット。さすがのサウザーもよろめくだろう。そこで長州がゆっくりと背後に回ってひねりをきかせたバックドロップをお見舞いし、シメは何人も逃れられぬ必殺のサソリ固め。苦痛に顔をゆがめながらロープににじり寄るその男は、もはやサウザーではない。金髪の千昌夫となっているに違いない。


しかし、一番の懸念材料は攻撃の取っ掛かりとなるリキラリアットを当てられるかどうかである。ああ見えて長州は打たれ弱い。一方的にヤラれ、攻勢に転じることのないまま赤いボタンを押すことになる可能性もあるとなると、あれこれ悩んでもう眠れない。私は少し疲れているのかもしれない。





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23:31 | 木村魚拓「三十男のピロートーク」 | - | -|
木村魚拓「三十男のピロートーク」
教師が生徒を殴るなどとんでもない、ちょっと小突いただけでも親が飛んでくると、教職についた知人が話していたが、私が学生だった頃には体罰など当たり前、「愛」と書かれたバカみたいに大きなしゃもじで尻を思い切り叩かれていた。焼けるような尻の痛みによって反省を促されていたことを、夜の夜中に徒然に思い出しているのは、重大なミスを犯してしまったからである。


夏の空は高く、森の緑は深く、ゴッドの天井は遠く、そしてデブの食欲は底なしだと思っていた。事実、Aくんという憎めない風体の太った彼に食べ物を与えれば、これまではひとつ残らずキレイに平らげていた。頬袋にドングリを詰め込むリスと同じ要領で、ホイホイと口へ放り込む様は見ていて気持ちも良かった。


だから、私も彼と同じ超大盛りセットにして、付属のサラダと、「超大盛り−普通盛り」の分のパスタを皿に取り分け黙って渡したのだ。彼が頼んだのはトマトベース、私はクリームベース。2種類の味を楽しめるとあらば、きっといつにも増していい笑顔を見せてくれるとばかり思っていたのに、何故か彼の表情がすぐれない。すぐれぬままフォークを持つ手がピタリと止まり、泣き出しそうな顔でこう言った。


「デブにだって限界はあるんですよ!」


確立されたアイデンティティを自ら否定する…。おそらくこれほど屈辱的なことはない。配慮に欠ける振る舞いにより、それをさせてしまった私が、今すべきことはもちろん反省。更新が1日遅れたこと以上に、言わせてはならぬひと言を、言わせてしまったことを真っ先に反省すべきであるわけだが、尻がアレで座ることさえままならぬ日もある今、良し悪しは別として、時代の変遷とともに反省の仕方が変わってよかったと、心より胸を撫で下ろしている次第である。



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09:44 | 木村魚拓「三十男のピロートーク」 | - | -|
木村魚拓「三十男のピロートーク」
45分後には家を出る。それまでにシャワーを浴びねばならない。小奇麗な格好に着替えねばならない。パーマも整えねばならないが、そんな男に見えるのか、そんな些細なことで怒るような男だと思うのかと、胸ぐら掴んでガックンガックンやりながら問いただしたい私なのである。


「魚拓さんが怒っていると聞いたもので…」


ここ何日かで3件も、そんな電話が掛かってきた。どの件も怒るどころか気にも留めていなかった。


いつだったか満員電車に揺られている最中に、イヤホンからの音漏れが気になり、右隣の男子がしていたイヤホンを引っこ抜いて注意した。


「ドンドンドンドンって、ここは盆踊り会場じゃないんだよ!」


男子はキョトンとした目で私をしばし見つめた後、引っこ抜かれたイヤホンを私の耳に押し当てた。聞こえてきたのは落語だった。ドンドンの出どころは左隣の女子だった。


あの時、誓ったのだ。もうイヤホンは引っこ抜きません。勝手に引っこ抜いたりいたしません。また、他人に対し無闇矢鱈に怒りませんと神に誓ったこの私が中尾彬じゃあるまいし、その程度のことで怒るわけがないだろうと、ここまで書いたところで出発まであと20分。もうシャワーは諦めた。折からの湿気で身体はベトついているが、シャワー諦め顔だけ洗うことにした私が現在、心の底から腹を立てているのは、こうなることがわかっていながら、昨夜意気揚々と飲みにいった自分自身だけである。






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09:32 | 木村魚拓「三十男のピロートーク」 | - | -|
木村魚拓「三十男のピロートーク」
「ひねくれた顔になったね」。およそ30年ぶりに顔を合わせた知り合いの、私に向けてのひと言である。続けて、パチスロライターという職業に対し遠回しに揶揄された。


どれだけメディアに露出しようと、携わるもののクオリティを上げようと、文化的に認められておらぬこの業界に軸足を置いている以上、そうしたそしりは免れない。ミリオンゴッドでは誰もが飛びつく千ゲーム超のハマリが、ジャグラーにおいては人を遠ざける理由にしかならぬのと同じこと。この先、何を成し遂げようとも、ジャグを物差しとする人にとって、私はひねくれた顔の男なのだろう。


田中という男がいる。かつてのペンネームはクズ田中。パチスロ必勝ガイドスタッフとしてともに同じ釜の飯を食っていたが、突如としてフィリピンへ旅立ち、ひん曲がったキュウリにも似た顔を忘れそうになった頃、日本へ戻り、今は必勝ガイドで筆を執るかたわらNPO法人理事としての顔も持つ。


企業が利益を追求するのに対し、NPO法人は社会貢献を目的とする。田中が理事を務め、彼の考えに賛同するライターが脇を固める「セブンスピリット」は、子供に対する支援を掲げ活動を行っている。その成果のひとつが今年8月に行われるサマーキャンプ。フィリピンの子供たちがデザインしたTシャツを日本で販売、そこで得た収益によって、東日本大震災で被災した子供たちをキャンプに招待するのだという。


ライターとしての田中は、見ていて実に歯痒い。さっさと終わらせて飲みにいってやろうとの魂胆が、文章から透けて見えるからである…などと書けば、より一層不安に駆られることだろう。歯痒い酒飲みが理事を務めるNPO主催のキャンプ。しかもその男は元を辿れば、クズを名乗っていたパチスロ雑誌のライターである。馴染みのない方からすれば、かかる費用のほとんどがTシャツの収益で賄われ、自己負担はほとんどないとはいえ、応募に多少のためらいを覚えるかもしれない。


故にエピソードをひとつ付け加えると、顔は曲がっていても中身は真っ直ぐ、有言実行を絵に描いたような男はある夜、電話口でこう言った。


「NPOは一生続けていくつもりです」


ライター業においては本気で追い込む姿をなかなか見られぬ男から、初めて聞いた「一生」の言葉。此度のサマーキャンプは、田中がパチスロライターではなく、ひとりの人間として初めて真剣に何かと向き合った結果なのだろう。


先日、高田馬場の路上で田中に偶然出くわした。久しぶりに奴の顔を見たが、相変わらずひん曲がってはいたものの、私にはいささかもひねくれているようには見えなかった。


セブンスピリット主催
8/5〜6 サマーキャンプ募集要項




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08:30 | 木村魚拓「三十男のピロートーク」 | - | -|
木村魚拓「三十男のピロートーク」
これまでにも幾度となく悩まされてきたが、過去のそれを高見山としたら、今回は高野山レベル。比較にならない。到底比べものにならぬ世界クラスの痛みが、私の尻を襲っている。


立ってもダメ。座るのもダメ。立ったり座ったりするのはもっとダメ。歩くのもダメ。横になるのも仰向けはダメ。痛みを遠ざける唯一の体勢はうつぶせであり、家にいる間はうつぶせでテレビを眺め、本を開き、今も背筋が悲鳴を上げるのを感じつつ、うつぶせでこの原稿を書いている。


それでも今日はまだいい。こうしてうつぶせでいられる分、まだ助かっているが、昨日は地獄だった。


立ったり座ったりの収録で存分に痛めつけ、世界クラスの痛みを誰もが認める世界チャンピオンにまで引き上げた後、打ち合わせが待っていた。尻の痛みを引き合いに出しても、場の雰囲気が柔らかくなるどころか、冷笑されることが容易に想像できる真剣な打ち合わせ。待ち合わせの喫茶店に到着すると、相手はまだ来ていなかった。


そりゃそうだよ20分前だもの。痛みを悟られぬ体勢を探るために早く来たんだもの。まずはテロッテロの絹ごし豆腐をお皿に移すかの如く、ゆっくりとゆっくりとソファーとの距離を縮めていったが、尻がソファーに触れた途端、火の出るような激痛が走り、そのまま横に倒れた。


涙が出てきた。涙を隠すため、横になったままグラサンをかけた。お冷を運んできた店員が怪訝そうな顔をしていた。そんなもんに構ってなどいられなかった。ぶっきらぼうにブレンドを頼んだ。


1ミリでも動けば、再び激痛に襲われるのがわかった。だからそのまま動けなかった。体勢を戻そうにもなかなか動けなかった。厳密には動く勇気が出なかった。寝ながらタバコを一服つけた。どうしてこんなことになったのか…。紫煙をくゆらせながら尻について思案をめぐらせていると、ドギースタイルが頭に浮かんだ。病院でドギースタイルがはっきりと浮かんだ。


深い溜め息をつきながらタバコの火を消し、パッと視線を上げた。すると、驚いたような表情の人がいた。打ち合わせの相手だった。


「いや、寝そべりながら本を読んでいる写真が1枚必要でして…。すいません、撮って頂けます?」


そんなもん、どこにも使う予定はないので当コラムで。下がその写真である。






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16:32 | 木村魚拓「三十男のピロートーク」 | - | -|
木村魚拓「三十男のピロートーク」
小田急線の売店にどうしてタバコが置かれなくなったのか。


用を足した後、両手を丁寧にアルコール消毒しても、トイレの扉を開けたその時に、再びバイ菌が付着するのではないか。


この2つは私にとって、どうしても解くことのできない問題である。他人の知恵を借りることなくいつの日か自ら答えを導き出したい、言わば永遠のクイズであるわけだが、そこに本日3つ目の設問が加わった。


東海道新幹線においては、何故ああも頑なに切符の確認をしたがるのだろうか。


改札を通る時点で全身に睡魔が回っており、指定の席についた時には既に意識が朦朧としていた。10数える間もなく寝るのはわかっていたから、座ってすぐ目に付くところに切符を置き、「いってきます」の代わりに「おやすみなさい」と小声でつぶやきながら静かに目を閉じたというのに、夢の中で美保純とゴーゴーカレーを頬張っている最中に、誰かが必死に呼びかけるのだ。


「お客さん! お客さん!」


声の主は、言わずもがなの車掌さんである。


口は開けていたかもしれない。しかし確かに目は閉じていたのだ。寝かせとけばいいじゃないか。ガラガラの新幹線、そこまでルールに忠実じゃなくてもいいじゃないか。切符の確認そのものがない、東北新幹線を真似てみる手もあるだろう。「そんだば、寝がしとくっぺや」、いつかテレビで聞いたことのある津軽弁を交えつつ、たまには東北の真似したっていいじゃないか。


車より包容力があり、飛行機よりも口うるさくない…。電車に対してこれまでは、優しいお母さんのようなイメージを抱いていたが、これじゃお父さんだ。厳格で融通の利かないお父さんへと認識を改めざるを得ないが、そのお陰で目的地へ付くまでにここまで書けたわけで。やはりお母さんのみならず、お父さんも偉大だねといったところで皆さんおやすみなさい。






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09:46 | 木村魚拓「三十男のピロートーク」 | - | -|