死刑執行文書開示:死刑順序 基準は闇
毎日新聞 2012年06月01日 02時50分(最終更新 06月01日 08時21分)
一連の決裁を経て作成される「執行命令書」((4))に法相の署名がないが、刑事局は「刑事訴訟法にそうした定めはない」という。これに対し、諸沢英道・常磐大教授(被害者学)は「厳粛な刑罰権の行使を命じる文書だけに、執行命令書にも法相のサインが付されてもいいのでは」と問題提起した。
執行命令書は同日中に死刑執行を指揮する検察庁に届けられ、検察庁は「受領書」を返送((5))した上で、担当検事が拘置所長宛てに「執行指揮書」を作成((6))。執行後は検察庁の長が法相に「執行報告書」を即日提出する((7))。報告書には、執行に立ち会った検察事務官が作成した「死刑執行始末書」も添付され、中には「千葉景子大臣が立ち会った」と手書きされたものもあったが、執行経過が書かれている始末書の「別紙」は全面的に黒塗りされていた。
執行後の文書に関して「全国犯罪被害者の会(あすの会)」の松村恒夫代表幹事代行は「事件の当事者である被害者はマスコミで執行を知るのが現状。希望者に法務省が直接、執行報告書を送るような措置を取ってもいいのではないか」と語った。