裁判員裁判:死刑判断は「苦役」、「心の負担これからも」

毎日新聞 2012年05月31日 21時11分(最終更新 05月31日 21時33分)

 「『死刑判決を出してしまった』という重い気持ちがどこかにある」。長野地裁で11年3月、強盗殺人罪に問われた被告に極刑を言い渡した長野市の男性会社員(43)は、判決から1年以上たった今も心が揺れる。

 建設業の一家3人を殺害して現金を奪ったとされる被告は、被害者親子から不当に給与を天引きされていた。遺族への謝罪文をつづるなど真摯(しんし)な反省と後悔も見て取れた。「情状の酌み取り方次第で、死刑と無期のどちらに転んでもおかしくない」。男性は悩んだが、判決は3人殺害という重大性を考慮して死刑と決まった。

 判決後の初出勤日、「同僚から『死刑判決はおかしいよ』と言われたらどうしようか」と思い、気分が沈んだ。裁判員制度の意義は感じたが、死刑の選択は「苦役」だと思った。

 被告側は控訴。東京高裁は1審判決を支持した。裁判官が同じ判断をしたという事実にも、苦悩は解消しなかった。心のどこかで「自分たちの判断を覆してほしい」と願ってすらいた。

 「上告審で死刑が確定したら自分はどうなってしまうのだろう」。そんな不安がふとした瞬間に頭をよぎる。「時間が流れても、心の負担はこれからもずっと消えない……」

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