松井「楽しみ」ダルビッシュと夢対決に期待

母校・星稜を訪れ、恩師の山下総監督（右）と笑顔で握手をする松井

　アスレチックスからフリーエージェント（ＦＡ）となった松井秀喜外野手（３７）が４日、ダルビッシュのメジャー挑戦について初めて言及した。「投球を見たことはないですが」と前置きした上で「数字を見たり聞いたりするだけでは、本当に素晴らしい。みなさんも楽しみに見るでしょうし、僕もそういう気持ち」と期待を寄せた。

　松井は０３年に巨人からヤンキースに入団し、ダルは０４年ドラフトで東北高から日本ハム入り。日本のプロ野球で交わることはなかったが、ひと回り年の離れた“夢の対決”が、ついに実現する。「もちろん、対戦することになったら頑張るだけですよ」と気合を込めた。所属先が決まっていないことに関しては「焦りはない。まずは体を良い状態にしたい」。

　この日は、実家近くの「松井秀喜ベースボールミュージアム」で「松井秀喜旗学童野球大会」の優勝チームの祝賀・激励の会に出席。石川、福井両県の野球少年ら約３０人と交流した。少年たちから「ライバルは誰ですか」と聞かれると「（ドジャースからＦＡとなった）同級生の黒田君は巨人時代から意識する投手」と答えた。さらに、ここでも「（Ｒソックスの）松坂君もいい投手だし、今年からはダルビッシュ君も来る」と言及していた。

　また、その前には母校・星稜高の山下智茂総監督（６６）と会食。ＡＮＡクラウンプラザホテル金沢にある中華料理店では、今年の干支（えと）にちなみ、昨年の不調からの復活を願う昇り龍をかたどった前菜などに舌鼓を打った。山下総監督は「彼は頭がいい。ちょっとしたキッカケで乗り越えられる。まだ３年くらいはやれる」と４０歳までの現役続行に太鼓判を押した。

　ダルとの「名勝負」が生まれる時間も、たっぷりと残されている。「アスレチックスで収穫したことを生かせる１年にしたい」。メジャー１０年目の逆襲へ向け、松井の気持ちは早くも高まっている。

　◆中畑監督に期待「盛り上げて」
  〇…松井は横浜ＤｅＮＡ・中畑新監督の“活躍”にも期待した。巨人１年目の打撃コーチという縁がある同氏の指揮官就任については「『おめでとう』というだけですよ」と笑顔。その人柄もよく知るだけに「プロ野球界を盛り上げてほしいと思いますね。存在自体で盛り上げられる人ですから、それだけでもすごいですよ」とエールを送った。