「すべての原発をなくすため、科学者運動を強めることが重要」と語る山本富士夫名誉教授=敦賀市のニューサンピア敦賀で
|
 |
大学教員や研究者でつくる日本科学者会議の原子力発電問題全国シンポジウムが二十五日、敦賀市のニューサンピア敦賀で始まった。二十六日まで。
「福島事故の現状や原因」をテーマに開催。同会議福井支部代表幹事の山本富士夫福井大名誉教授(流体力学)は基調講演で、原発の安全神話が形成された歴史的背景を紹介。事故後も南アジアの国々に原発を売り込む国の姿勢を「目先の利益追求に突っ走っている」と批判した。
日本大歯学部の野口邦和准教授(放射線防護学)は「(福島の)放射性物質は六年後には50%までに減衰する。この間の外部線量をいかに低くするかが重要」と指摘。除染に対し「放射性物質を移動させるだけ」との批判があることについては、「人のいないところに放射性物質を保管し、被ばく線量を下げることが最も大切だ」と反論した。
二十六日は午前九時から「事故をふまえた今後」をテーマに講演がある。著書「原発とは結局なんだったのか いま福島で生きる意味」(東京新聞刊)を出版した福島大経営学部の清水修二教授(財政学)の現状報告もある。参加費五百円。
同会議は科学の自主的・総合的な発展を目的に一九六五年に結成。福島事故を受け「全原発の運転を断念すべきだ」との見解を示している。
この記事を印刷する