栗城史多×安藤美冬 【第1回】 「ぼくはニート出身ですから」ソーシャルメディアで情報発信を続ける登山家はどうやって人の心を動かすのか

2012年08月26日(日) 安藤 美冬
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安藤: 所さんがツイッターで栗城さんを誉めていたのを見ましたよ。国民的な人気タレントの所さんに評価されるなんて、国民的ヒーローじゃないですか。

 私も栗城さんの講演に行って、この人はトトロとか、ちびまる子ちゃんとか、サザエさんとか、クレヨンしんちゃんとか、プーさんとか、そういう広く長く愛されるキャラクターみたいになって成功していくんだな、という印象を受けたんですね。どうしたらそんな風に魅力的になれるのかというのが、私としてはいちばん聞いてみたいテーマなんです。

栗城: 今日はこの対談に来てすごくよかった(笑)。自分が国民的ヒーローだとは思わないですけど、たまに「アニメのキャラクターにたとえると、栗城は『ONE PIECE』の主人公みたいだ」って言われることがあります。やっていることが、「海賊王を目指すぞ!」みたいな感じだと思われているのかな。まあ、僕のキャラクターがわかりやすいということもあるかもしれないけど・・・。

人の心を大きく動かす「普通のお兄ちゃん」

安藤: 私が始めて栗城さんを知ったのが、2年前のNHKの『7サミット 極限への挑戦』というドキュメンタリー番組だったんです。お正月明けの、2010年1月4日の放送分。

栗城: すごく記憶力がいいですね。

安藤: でしょ。最初は父と母が見ていて、私は隣の部屋で本を読んでいたんですけど、そうしたら、いきなり大きな泣き声が聞こえてきた。びっくりしてテレビの前に飛んでいったんです。

栗城: 泣き声? お母さんが泣いていたんですか?

安藤: 違いますよ、あなたですよ(笑)。

栗城: 僕?

安藤: そう。大声で泣いているお兄さんが映っていた。それが、エベレスト登頂を目指すも断念、やっとの思いで下山をしてベースキャンプに到着した途端、あまりの悔しさに、カメラの前で号泣している栗城さんだったんですね。その姿に釘付けになってしまったんです。

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