浜岡5号機、原子炉内の水に濁り 年内に点検へ
(2012/8/24 07:53) 中部電力浜岡原発5号機(御前崎市佐倉)で昨年5月、復水器から海水約400トンが流入したトラブルで、経済産業省原子力安全・保安院は23日、施設への影響などについて専門家から意見を聴く意見聴取会の3回目会合を都内で開いた。
中電側は22日から海水流入後初めて核燃料の取り出しを開始したことを説明し、「原子炉内に鉄さびによる濁りが見える」と明かした。年内を目標に炉内の点検や燃料検査を行う。
この日は原子力安全基盤機構の担当者が1972年に米国・ミルストンの原発で、原子炉内に海水が流入した事例も報告した。
専門家からは中電に対して「(原子炉内構造物の点検方法は)平時の基準ではなく、海水が入った異常事態を考慮するべきではないか」「海水が入り放射線があった場合、機器にどれぐらいの影響があるか調べてほしい」などの意見があった。
保安院によると、9月6日の会合で中間報告案を示す。中間報告は新たに発足予定の原子力規制委員会に引き継ぐ方針。
トラブルは昨年5月14日、政府の要請によって運転を停止した直後に起きた。発電タービンを回した蒸気を冷やして水に戻し、再び原子炉に送る復水器内部で、冷却用の海水が流れる細管の一部が破損し、海水が原子炉内にも流入した。
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