アップルとサムスン評決、グーグルの意向示すメールが決め手
8月26日(ブルームバーグ):米アップルの知的財産権を韓国のサムスン電子が侵害しているとして10億ドル(約786億円)余りの損害を認定した陪審団が評決に至る判断材料としたのは、グーグルの影響力を示す電子メールだった。
陪審員長を務めたベルビン・ホーガン氏は25日のインタビューで、陪審団はサムスンがアップル製品の特許を侵害したと認定するに当たって、「細部に注意を払う」プロセスを踏んだと説明。侵害が意図的だったかどうかを判断する際に「証拠のどこを見る必要があるかを承知していた」と述べ、電子メールの存在に言及した。これらのメールには2010年当時のサムスン内部のメールも含まれており、サムスンに対して、アップル製品にあまり似たデザインとならないようグーグルがどのように変更を求めたかが示されている。
侵害が意図的だと陪審が認定したことを踏まえて、米カリフォルニア州サンノゼの連邦地裁のルーシー・コー判事は来月、一部サムスン製品の販売差し止めを求めるアップルの請求を検討する際に損害賠償金を3倍に増やすことが可能になる。
ホーガン氏は「サムスンの上層部が下部組織に実際にまねるよう指示を行っていた」とした上で、「サムスンが実際に模倣したと考えるかどうかが全ての鍵を握るわけだが、アップルのデザインから遠ざかるようサムスンに求めたグーグルからのメモをわれわれが見たことが決め手となった」と説明。「この企業は遠ざかる必要があったのにそうしなかった」と付け加えた。
4週間の審理を経て陪審団は24日、サムスンが携帯端末のアップルの特許7件のうち6件を侵害したと認定する評決を下した。これによって、特許侵害と見なされたサムスンの携帯端末の米国での販売が差し止められる可能性がある。
原題:Apple-Samsung Jury Foreman Says Google E-Mail WasPersuasive (1)(抜粋)
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更新日時: 2012/08/27 12:21 JST