紀伊半島豪雨1年:紀宝・大里地区のがれき仮置き場 処理「年内めど」 被災者「屋内修理は手つかず」 /三重
毎日新聞 2012年08月28日 地方版
グラウンドに木の柱や戸板の残がい、コンクリート片が積み上がったままだった。昨年9月の台風12号災害から間もなく1年となる紀宝町。大里地区のがれき仮置き場を訪ねると、依然としてトラックによる搬入が続いていた。町内の被災住宅は1000戸を超える。がれき処理について町環境衛生課は「年内に終えるめどが立ちつつある」としているが、被災者からは「家の応急措置はできたが、屋内の修理は手つかずのまま」との嘆きも聞こえた。
台風12号による豪雨が紀伊半島に甚大な被害をもたらしたのは11年9月3日から4日にかけて。同課の今年3月現在のまとめによると、町内の被災1007戸の内訳は全壊61戸▽大規模半壊316戸▽半壊482戸▽1部損壊148戸。床下浸水は約200戸に及んだ。
後片付けに伴い、膨大ながれきが発生する。町指定の仮置き場となった大里地区の深田運動場(約1万2000平方メートル)には、同月8日からがれき搬入が始まった。最大で1日に軽トラック1500台分が運び込まれ、グラウンドはいっぱいに。木くず、コンクリート片、瓦、混合ごみに分別され、混合ごみの山の高さは最大約10メートルに達したという。