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【芸能・社会】

染五郎 公演中転落、救急搬送

2012年8月28日 紙面から

 歌舞伎俳優の市川染五郎(39)が27日夜、東京都千代田区の国立劇場での舞踊公演中に、舞台のセリから約3メートル下の奈落に落ち、救急車で都内の病院に搬送された。けがの程度について正式発表はないが、関係者によると右側頭部を打っていて脳挫傷とみられる。意識はあるという。公演は途中で中止。28日の同公演は未定。人気・実力を兼ね備えた花形役者の今後にどんな影響が出るのか。父の松本幸四郎(70)の古希の祝いを兼ねた、自身が家元を務める日本舞踊松本流の舞踊会での思わぬ事故とあって大きな衝撃が走った。

 染五郎は病院で自分の名前を間違えずに言えるなど意識はしっかりしているという。

 事故が起こったのは、午後6時すぎに開演してから約40分後。モダンな和装姿で、舞台中央で一人で踊る場面でくるりと振り返ったかと思うと落下し、パッと舞台上から姿を消した。すぐに緞帳が下ろされ事故であることが観客にも伝わった。

 約10分後、「お客さまに申し上げます。都合により、本日の公演は中止とさせていただきます。深くおわび申し上げます」とのアナウンスが流れ騒然となった。

 関係者によると、すぐに楽屋口に救急車が到着。染五郎はしばらく車内で安静を保ちながら待機した後、午後7時すぎに搬送された。

 染五郎は9月の東京・新橋演舞場の「禿山祭九月大歌舞伎」は休演する見込みだ。

 この日は染五郎が家元を務める日本舞踊「松本流」の3年ぶりの「第十回松鸚會」の初日公演。父で宗家の松本幸四郎の古希(70歳)を記念して開催された。舞踊は染五郎による新作で、自身の幼少時の呼び名「あーちゃん」をそのままタイトルにして、半生を踊りで表現した内容。長女が松田美瑠(5)の芸名でデビューする祝祭的な公演で、父幸四郎と3代が舞台にそろった。松田が歌う場面も用意されていたが、その前に中止となった。

 ◆市川染五郎 本名・藤間照薫(ふじま・てるまさ)。1973(昭和48)年1月8日、東京生まれ。9代目松本幸四郎の長男。79年3月歌舞伎座「侠客春雨傘」で3代目松本金太郎で初舞台。81年10月歌舞伎座「仮名手本忠臣蔵」七段目の大星力弥ほかで7代目市川染五郎を襲名。古典、新作、二枚目、女方など幅広く確かな演技力で活躍。劇団☆新感線への出演や江戸川乱歩作品の歌舞伎化など意欲的な取り組みでも知られる次世代のリーダーの一人。09年6月に長男が松本金太郎として初舞台。姉は松本紀保、妹は松たか子。

 

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