ここから本文です。

更新日:2011年7月22日

ロードヒーティングの仕組み

スタッドレス社会の定着と冬期路面環境の向上のため進めてきたロードヒーティングは、市内の勾配が4%以上の坂道のうち、緊急に整備の必要な幹線系167ヵ所(約20km)と、地域内の交通確保が特に必要な補助幹線系150ヵ所(約14km)について、坂道の発進・停止や急カーブ個所に限定して整備しており、平成8年度をもって計画的なヒーティング整備は完了しました。

現在、設備の維持管理に年間約10億円、将来の設備更新も考慮すると毎年平均20数億円が見込まれ、今後の課題となっています。


ヒーティングシステムのご紹介

 

札幌市の主要なヒーティングシステムは、電気を使う発熱線方式とガスを使う北ガス温水方式です。このほかにもさまざまなヒーティングシステムを採用しています。
その一部をご紹介します。
空気式ヒートポンプ温水方式
方式概要
・外気から得た熱エネルギーをヒートポンプで高温の熱エネルギーに変換し,熱交換器で温めた不凍液を温水パイプに循環させる。
特色・性能
・駆動エネルギーに対して,発生する熱エネルギーの量が大きいため,ランニングコストの低減が期待できる。
・外気温度の変化によって,得られる熱エネルギーが変化する。
システム略図
空気式ヒートポンプ温水方式
面状発熱体方式
方式概要
・面状発熱体の両面をゴムアスシートで保護したシンプルな構造。
・自己温度制御式ヒーター。
・発熱抵抗素子が,特殊カーボンと熱可塑性樹脂との複合物からなる有機発熱体。
特色・性能
・通電によってヒーターの温度が上昇すると,ヒーター自信の電気抵抗値が急激に増加し電気の流れが制限される。
・アスファルトフィニッシャーによる機械舗設が可能で通常の路盤強度が期待できる。
・防水性を有している。
システム略図
面上発熱体方式
棒状発熱体方式
方式概要
・非金属発熱体を防水コネクタで接続したユニットに通電する。
特色・性能
・温度の立ち上がり時間が,出力の設定に関わらず短く,短時間で安定した平衡温度域に達する。
・特殊カーボンと特殊混合樹脂ですぐれた耐熱,耐久性に加えて耐腐食性を持っている。
・現場の状況に応じて工場内でユニット加工を行う。
・自己温度制御特性によりある一定の温度に到達すると出力を制御する。
システム略図
棒状発熱体方式
温水式ヒートパイプ方式
方式概要
・温水を循環させたメイン配管にヒートパイプの端部を差し込み,ヒートパイプを温めて融雪する。
特色・性能
・ヒートパイプのためヒーティング部分の温度差が少なく,熱伝導性が良い。
・フィニッシャーでの施工が可能。
システム略図
温水式ヒートパイプ方式

 

 

ロードヒーティング集中監視システム
ロードヒーティング集中監視システム

 

札幌市の6要素制御運転フロー

運転条件(外気温度+2℃以下)

  1. 融雪運転→降ってくる雪を融かすための運転
    (降雪センサーが降雪を検知するとON,路面温度は1℃~2℃)
  2. 凍結防止運転温度→濡れた路面を凍らせないようにするための運転
    (水分センサーが水分を検知するとON,路面温度0℃~1℃)
  3. 予熱運転→舗装体にある程度の蓄熱を持たし,降雪時に即対応するための運転
    (路面温度センサーで路面温度-5℃前後)
札幌市の6要素制御運転フロー