芦別:朝鮮人遺骨調査終了 大きな手掛かりなく

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昔の写真を示しながら調査状況を説明する長谷山隆博館長(中央)=芦別市の「秀岳寺」で2012年8月26日午後4時50分、西端栄一郎撮影

 芦別市で戦時中、炭鉱労働に従事した朝鮮人がひそかに埋葬された可能性があるとして、同市西芦別町大曲地区の空知川河川敷で24日から行われた遺骨発掘調査は、大きな手がかりが得られないまま26日終了した。骨片4個が見つかったものの、人骨か獣骨か判別できず、道警が調べる。鑑定には1週間以上がかかるという。

 骨片は26日午後2時ごろ、調査現場の東端の地表から約40センチ下から出てきた。骨片は細長く、長さ約10センチ前後。調査団の遺骨鑑定専門家の朴善周(パクソンジュ)・韓国忠北大教授によると、ろっ骨と骨盤、腕の骨と思われるが、大きさなどから馬や羊の可能性があるという。

 調査後、同市内の秀岳寺で追悼式が営まれ、炭鉱労働に従事し、同寺に遺骨が保管されている朝鮮人、中国人計56人の名前が読み上げられた。

 作業の指揮を執った地元資料館「星の降る里百年記念館」の長谷山隆博館長(52)は明確な人骨が見つからなかった理由を「川の氾濫で地面がえぐられ、土砂が堆積(たいせき)した可能性がある」と述べ、調査の打ち切りを報告した。

【鈴木勝一、西端栄一郎】

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