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FF25周年おめでとうございます。

自分が初めて FF に関わったのは 2000 年の夏 FF10でした。その当時はモーションデザイナーとしてキャラクターに命を吹き込む仕事をしていたのですが PlayStation から PlayStation2 になった事でとても苦労したのをよく覚えています。以前よりも骨数やフレーム数を多く使えるようになって表現力が格段にあがったのはよかったのですが、自分にはそれを使いこなすテクニックが足りなくてモーションをつける以外にも Expression を駆使してみたり、C 言語で softimage|3D のプラグインを作ってみたりと試行錯誤ばかりの毎日でした。でもそんな甲斐あって幾つもの巨大モンスターを登場させる事ができたので、自分にとってはとても充実したプロジェクトになりました。

その後異動した FF12は念願のプリプロ参加だったのですが、自分にとっては初めてづくしが多くてこれまたとても苦労しました。スタッフクレジットではリードモーションデザイナーとはなっているものの、その当時は自分よりも凄腕のアニメーターが沢山集結していたので自分でアニメーション制作することはせずマネージメント業務、キャラクターの管理構造やメモリ配分の策定、アニメーションの制作環境の整備などに力を注いでいました。やることはほぼすべて初体験だったので時間もかかりましたし無駄もいくらか出はしたものの、周りのデザイナーの方々やプログラマー、プランナー、サウンドなど多方面の人々に協力してもらいながら、ひとつひとつ丁寧に詰めていく事ができたので今までに無い完成度の高い作品がつくれたと思っています。アニメーションに関して言えばその当時一番渋くてかっこいい絵をつくれたのではないでしょうか。

そして今 FF14を制作しています。新生ではリードデザイナーとしてモーションだけではなく全てのグラフィックに顔を出してうまく流れるように働きかけていますがこれまた初めてづくしな事が多いのでめちゃくちゃ苦労しています。ただその苦労もかいあって少しずつ手ごたえを感じてきています。この先、新生 FF14の形が少しずつ見えてきますので皆さん楽しみにしていてください。

自分はまだ 3 本しか FF に関わっていないのですが振り返ってみると苦労話ばかりです。ですが開発者の楽しみは色々な事にチャレンジして苦労しながらも新たな作品を産み出し皆さんに楽しんでもらう事なので、自分としては楽しく過ごせた 12 年間でした。

これからもチャレンジし続けていきますので皆が楽しめるファイナルファンタジーを今後ともよろしくお願いします。

鈴木 健夫

FF10　モンスターモーション
FF12　リードモーションデザイナー
FF14　リードデザイナー

クリエイターズボイスは、今後も続々と更新していきます。
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