
のぼりべつクマ牧場(登別温泉町)の雄のエゾヒグマ「ロコ」が今月19日で31歳になり、同牧場の雄の長寿記録を2年連続で塗り替えた。人間の年齢では100歳を優に超えるというが今も元気。飼育員らは「いつまでも元気に過ごして」と献身的な世話を続けている。
同牧場によると雄ヒグマの平均寿命は25年。日本動物園水族館協会によると、ヒグマの最高齢は「記録はないが雄が30歳以上生きたという事例は聞いたことがない」という。雄ヒグマの国内最高齢に君臨している可能性が極めて高く、同牧場で生まれたロコは国内最高飼育記録も更新している。
ロコは1980年1月19日生まれ。31歳となり体長210センチ、体重320キログラム(ともに推定)まで成長した。現役時代はフミオ(13代目)、リキタ(14代目)、ブッチャー(15代目)らとボスの座を争うなど来場者の人気を集めた。
一線を退き、職員からは「ロコじいさん」の愛称でかわいがられている。高齢で昔ほど俊敏な動きはできないが、周囲を散歩する運動は欠かさない。スタッフらに元気に愛きょうを振りまく一方で、体に触られるのを嫌い、体重測定を苦手とする子供っぽい一面も。
誕生日の19日は好物のリンゴやサケを元気いっぱいほおばるなど食欲旺盛っぷりをアピールしていた。体調面などを考慮し一般公開される予定はない。
23年間ロコを世話する坂本秀行飼育係長(45)は「(ロコは)クマ牧場で生まれ育った宝。これからも長生きしてほしい」と気遣っていた。
(粟田純樹)
【写真=国内最高齢と思われるのぼりべつクマ牧場の雄ヒグマ「ロコ」。今月、長寿記録を更新した】
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