■ 登別・クマ牧場でも超高齢化―雄の国内最高齢を更新
【2012年1月25日(水)朝刊】

雄ヒグマの国内最高齢を更新したロコ(上)、今もおてんば者として飼育員に人気のピンキー(中)、多くの子供たちを育て今も元気なヨシコ(下)
 のぼりべつクマ牧場(尾崎武志園長、登別温泉町)の雄雌3頭のヒグマが、今月にそろって誕生日を迎える。33歳になる2頭の雌は同牧場の長寿記録に並び、19日に32歳になった1頭は雄の国内最高齢を更新した。3頭とも人間の年齢でいえば100歳を超えるおじいさんとおばあさん。現在も食欲旺盛で元気な姿を見せており、同牧場関係者は「ずっと長生きしてほしい」とかわいがっている。

 雌のヨシコ(27日生まれ)とピンキー(31日生まれ)、雄のロコ。

 同牧場によると、ヒグマの平均寿命は雄が25〜28歳、雌が30歳。歴代の最高齢は2007年に33歳で死んだマミ。日本動物園水族館協会によると、日本の長寿記録は名古屋市東山動物園の「ビホロ」(雌、1986年没)の38歳が最高だ。札幌市円山動物園で生活する「栄子」=のぼりべつクマ牧場生まれ=が、きょう25日で39歳の誕生日を控え、国内最高齢を更新すると注目されている。

 ヨシコとピンキーは1979年にそろって同牧場で生まれた。現在、体長約160〜170センチ、体重約130キロ(ともに推定)。ピンキーは10頭、ヨシコは6頭の子供を生み、子育て上手の“肝っ玉母ちゃん”。普段はA獣舎と呼ばれる所で雌4頭仲むつまじく生活している。飼育員が体調を確認しにくると甘える愛らしい一面も。リンゴとサケには目がないという。

 ロコは1980年生まれ。32歳となり足と腰が弱っているものの、体長約210センチ、体重約320キロ(ともに推定)を維持。昨年は「冬を越せるか心配」になるほど一時弱ったという。「今年は体重も増え腰回りに肉が付いた」と飼育員を喜ばせる。誕生日の19日に大好物の果物をおなかいっぱい食べたという。

 同牧場は現在98頭のヒグマを飼育。3頭は高齢のため一般公開はされていないが、飼育員らの献身的な世話で今も元気いっぱい。時折ホームページに登場するなど“ファン”を喜ばせている。

 長年3頭を見守ってきた学芸員の坂本秀行さんは「少しでも幸せを感じ生命力を発揮できる環境をつくっていきたい」と優しいまなざしを向けている。
(粟田純樹)

【写真=雄ヒグマの国内最高齢を更新したロコ(上)、今もおてんば者として飼育員に人気のピンキー(中)、多くの子供たちを育て今も元気なヨシコ(下)】




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