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2012年8月28日11時50分

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ニホンカワウソは「絶滅」 環境省、レッドリスト改訂

写真:現在の高知県土佐清水市で1974年に撮影されたニホンカワウソ=(C)今泉忠明/ネイチャー・プロダクション拡大現在の高知県土佐清水市で1974年に撮影されたニホンカワウソ=(C)今泉忠明/ネイチャー・プロダクション

写真:すでに絶滅したニホンオオカミの剥製(はくせい)(和歌山大)拡大すでに絶滅したニホンオオカミの剥製(はくせい)(和歌山大)

写真:日本産最後のトキ「キン」(03年死亡)拡大日本産最後のトキ「キン」(03年死亡)

 環境省は28日、絶滅の恐れのある野生生物を調べた「レッドリスト」を見直し、ニホンカワウソを絶滅危惧種から「絶滅種」に指定するなど改訂版を公表した。新たに8種が絶滅種に指定され、419種が絶滅危惧種になった。

 新たに絶滅種と判断されたニホンカワウソは、最後の目撃が北海道で1955年、本州以南では79年とされる。専門家の分析でも、北海道亜種は50年代、本州以南亜種は90年代にすでに絶滅したとされてきた。カワウソのような比較的大きな動物が長期間目撃されていないことや、生息確認調査などの結果から絶滅種と判断した。

 哺乳類ではニホンカワウソの本州以南亜種と北海道亜種、沖縄・宮古島に生息していたミヤココキクガシラコウモリの3種。鳥類では、沖縄の北大東島、南大東島だけに生息していた猛禽(もうきん)類ダイトウノスリが70年代以降に目撃されておらず、絶滅したとされた。

 魚類を除く動植物9分類で、絶滅のおそれがある絶滅危惧種に指定された総数は、6年前に改訂された前回のリストから419種増えて3430種となった。特に増えたのは昆虫類で119種増えて358種に。貝類も186種増えて563種が指定された。

 日本各地の河口域などで生息していたハマグリも、新たに絶滅危惧種に指定された。80年代以降、干潟の埋め立てや護岸工事などで生息環境が悪化して数が急減した。漁獲量は70年代の2割以下に落ち込んでいる。スーパーで売られているハマグリは中国や韓国から輸入した外来種が多くて、現在は潮干狩りでも外来種を放して客に採らせる場合がほとんどという。

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