慰安婦:韓国政府、日本に仲裁委の設置提案へ

 韓国政府が日本側に対し、慰安婦問題の解決に向けた「仲裁委員会」の設置を提案する方針を固めた。

 韓国憲法裁判所は1年前の昨年8月、慰安婦問題の解決に向けて政府が積極的に取り組まないのは違憲とする決定を下した。外交通商部(省に相当)の当局者は26日「憲法裁判所の決定以降、韓日請求権協定に基づき紛争解決に向けた2国間協議を呼び掛ける文書を日本側に2回(昨年9月、11月)送付したが、何の返答もなかった。協定に規定された次の段階に当たる仲裁委員会の設置を提案するつもりだ」と語った。具体的な提案の時期や方法については、慰安婦問題の解決に尽力する韓国挺身(ていしん)隊問題対策協議会などの市民団体と協議し、決定する方針だ。

 1965年に締結された韓日請求権協定の第3条は、協定内容をめぐる両国間の紛争は外交協議を通じて解決するが、これにより解決できない場合は、韓日が任命する各一人の仲裁委員と第3国の仲裁委員一人で構成される仲裁委員会で解決するものと規定している。日本が2国間協議を拒否し続けていることから、政府は仲裁委という次のカードを切る必要があると判断した格好だ。政府はこれまで、内部で仲裁委員の候補を模索するなど実務面での準備を進めてきた。日本が設置を拒否すれば仲裁委員会は開かれないが、韓国政府は設置を提案することで国際社会に慰安婦問題をより強くアピールできるものと見込んでいる。

 外交通商部の関係者は「独島(日本名:竹島)をめぐる最近の外交摩擦と仲裁委員会の設置は別問題。慰安婦問題は女性の人権と人道主義にかかわる問題だ」と語った。日本側は、請求権協定により元慰安婦の賠償請求権などは全て消滅したとの姿勢を貫いている。

アン・ヨンヒョン記者
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