グランパスが獲得を目指す阪南大4年のDF本多勇喜。入団ならば、クラブ初のUターン加入選手となる
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名古屋グランパスが、来季の新加入選手として阪南大4年のDF本多勇喜(21)と野洲高3年の望月嶺臣(もちづき・れお=17)の獲得に動いていることが27日、分かった。2人は28日から3日間、トヨタスポーツセンターでのトップチームの練習に参加する予定。現場サイドが実力を確認後、正式オファーを出す方針だ。本多はグランパスU−18出身で、大学を経てUターン入団する選手はクラブ史上初となる。
高い身体能力を誇る即戦力サイドバックと、将来性十分なテクニシャンが来季グランパスに加わる可能性が高まった。特に注目はクラブ史上初めての“Uターン”での新加入選手となる阪南大の本多。グランパスU−18時代は果たせなかったトップチーム入りを、4年の年月を経て実らせることになる。現在Jリーグ6クラブからのオファーを受けているが、愛着あるグランパスでの挑戦を本人も希望していると見られる。
本多の評価が一気に高まったのは、日本一に輝いた7月の総理大臣杯だ。準決勝の早大戦ではチーム事情でセンターバックとして出場し、相手エースFW富山と互角以上に競り合った。続く決勝では本職の左サイドバックで専大のスピードスターFW仲川を完封。大学屈指のFW2人を抑えたことで、強さと速さを証明した。
阪南大の須佐監督は「とにかく計り知れない身体能力を持っている。経験を積んで、もっとすごい相手と対戦していけば、どれだけの選手になるか」と将来性に太鼓判を押す。入学時は心身ともに不安定さが目立っていたが、昨年12月に将来について話し合った際、「この1年に懸けてがんばる」と決意。本来の実力を発揮し始めたという。
グランパスの久米GMも「大学に行かせて良かった。今は大学でも十分成長できる。こういう形で戻ってきてくれるなら喜ばしいこと」と歓迎。加入が決まれば、現在U−18に所属している選手や大学に進学したOBにとっても、大きな励みになるはずだ。
U−17日本代表 超高校級・望月
一方の望月は、U−17日本代表として昨年のU−17W杯にも出場し、ベスト8進出に貢献するなど、将来を嘱望される超高校級プレーヤーだ。165センチと小柄ながら、高い技術でゲームを組み立てるボランチで、野洲高では1年時から背番号「10」を背負う。入団が決まれば、グランパスU−18からのトップ昇格が確実視されているDFハーフナー・ニッキを含め、多彩なメンバーとなりそうだ。
【本多勇喜(ほんだ・ゆうき)】 1991(平成3)年1月2日、岐阜県出身の21歳。173センチ、65キロ。岐阜VAMOSからグランパスU−18に加入し、08年に同期の磯村らとともに高円宮杯全日本ユースで準優勝。その後、阪南大流通学部に進学。本職の左サイドバックのほか、センターバック、左サイドハーフもこなす。
【望月嶺臣(もちづき・れお)】 1995(平成7)年1月18日生まれの17歳。165センチ、57キロ。滋賀県のセゾンFCから野洲高。パスだけでなくドリブルやFKにも秀で、左サイドでもプレーできる。U−16、U−17日本代表。
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