サムスン電子、新製品の投入延期も-アップルに有利な評決で
8月27日(ブルームバーグ):韓国のサムスン電子は、同社が米アップルの特許を侵害したとの米連邦地裁陪審団の評決を受け、デザイン変更の時間を得るため新型の携帯端末の投入を先送りする必要が生じる可能性がある。
24日の評決では、サムスンがアップルに10億ドル(約790億円)超の損害を与えたと認定。サムスンの一部製品の米国での販売が差し止められる可能性も出てきた。両社は来月、サムスンの「ギャラクシータブ10.1」を含む製品の恒久的な販売差し止めを求めるアップルの主張について、再び法廷に立つ。
サムスンは、米グーグルの基本ソフト(OS)「アンドロイド」を搭載したギャラクシーのさまざまなモデルを投入することで、ブルームバーグ・インダストリーズが2190億ドルと試算する世界スマートフォン(多機能携帯電話)市場のトップに上りつめた。サムスンは、アップルの新型スマートフォン「iPhone(アイフォーン)」のほか、投入が見込まれるより小型のタブレット型コンピューター「iPad(アイパッド)」に対抗しなければならない時に、一部の製品発売延期を余儀なくされる可能性がある。
KTBアセット・マネジメントのチャン・インワン社長は「評決は大方の予想以上にサムスンにとって不利な内容で、進行中の一部製品で変更を迫られるだろう」と指摘し、「新型モデルの開発や発売が遅れる可能性があり、販売差し止めの可能性も踏まえると、企業価値にとって重しとなりかねない」と述べた。
サムスンの広報担当ジェームズ・チョン氏は25日に電話で、今回の評決によって新製品投入のスケジュールが影響を受けることはないと説明している。
原題:Samsung Facing Product Delays After Apple Wins U.S. JuryVerdict(抜粋)
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更新日時: 2012/08/27 07:58 JST