東日本大震災:地震の揺れで脳卒中患者急増…東北大調査
毎日新聞 2012年08月27日 20時56分(最終更新 08月27日 22時30分)
東日本大震災による昨年3月11日の震度7の激震と、約1カ月後の震度6強の余震の直後、宮城県内の脳卒中による救急搬送が急増していたことが27日、東北大の下川宏明教授(循環器内科)らのグループの調査で分かった。地震の揺れが脳卒中患者の増加に関係することを示すデータは初めてという。
震災直前の11年3月4〜10日、脳卒中の救急搬送数は70件だったが、震災直後の11〜17日は114件に急増。
4月上旬には平年並みに戻ったが、4月7日に震度6強の余震が発生すると、同月8〜14日は前年同期比21.8%増の78件、15〜21日には同15.7%増の103件に。下川教授は「強い揺れによるストレスが血圧を高め、脳卒中を誘発したとみられる」と分析する。
調査は、11年2月11日〜6月30日の、県内12消防本部の救急搬送記録を分析。08〜10年の同期と比較した。これまでの調査で、震災発生後4週間で、心不全と肺炎による救急搬送人数が震災前より倍増していたことも明らかになっている。