Fate/ゼロ 紅き英雄 (00フリーダム)
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二話目です。

南無三さん、感想ありがとうございます!!

感想、誤字脱字などがあればお願いします。

それではどうぞ



02 ゼロVS英雄王1

「セイバーそれにランサーよ。うぬらの真向からの競い合いまことにみごとであった。あれほどの清澄な剣劇を響聞かせては惹かれて出てきた英霊がよもや余一人ともあるまいて。聖杯に招かれた英霊は今、ここに集うがいい! なおも顔見せを恥じるような臆病者は征服王イスカンダルの侮蔑を免れぬものと知れ!」

「……あれが今回のライダーか……さわがしいヤツだな」
ゼロと雁夜は離れた位置でその様子を見ていた。
あれから数日が経ち昨日の夜アサシンが遠坂邸に侵入しアーチャーに撃退された。
そして今日の夜港でゼロが戦いの気配を感じ取り見に来てみれば三騎士のうちの二人であるセイバーとランサーが戦っていたのだ。
しばらくは均衡が続いたがランサーが宝具を使用したことによりセイバーの真名、ランサーの真名が判明し、セイバーがランサーの宝具により癒えない傷をつけられこれからというときに別のサーヴァントが乱入。
さらに、自分の真名をばらす、という暴挙に出て(真名を名乗った時にライダーのマスターが突っ込みデコピンされたのは同情を誘ったが)さらに隠れているサーヴァントは出て来いとまで叫んだありさまだ。
普通にゼロ以外でも呆れる。

「出ていくのか?」
雁夜はゼロに聞いた。
その顔は心なしか笑っている。
この数日で雁夜はゼロがどんな奴か全てではないが分ってきていた。
なんて返すか予想はできるが。
「……その必要性を感じない……と言いたいが出る必要ができた」
ゼロの表情はいつもと変わらないが、なぜ出る必要があるかは雁夜にもわかっていた。
使い魔越しに雁夜にも見えていたからだ。
アーチャーつまり時臣のサーヴァントが出てきたのを。
「……お前はここに居ろ」
こちらを一目見てゼロはそう言った。
「ゼロ」
戦場に向かう自らのサーヴァントに雁夜は一言だけ告げた。
「……悪いな」
その一言にゼロは、
「……気にするな。俺は俺のできることをしているだけだ。お前はお前にできることをすればいい。アーチャーや戦闘は俺に任せろ」
雁夜の方を見ずにそう告げると霊体化して戦場に向かった。
「……まったく本当に俺には勿体無いな。さて、俺は俺のできることをするか」
一人そう呟くと雁夜は使い魔に命じ目的の人物を探し始めた。





ライダーの叫びから少しし街灯に光が集まりそこにアーチャーが現れた。
「よもや我を差し置いて王を称する不埒者が一夜に二匹も沸くとはな」
いきなり、ライダーとセイバーを"匹"呼ばわりするアーチャーにライダーは苦笑いをし、
「難癖つけられたところでなぁ……イスカンダルたる余は、世に知れ渡る征服王に他ならぬのだが……」
言ったのだがアーチャーはそれを軽くあしらう。
「たわけ。真の王たる英雄は、天上天下に我(オレ)ただ独り。あとは有象無象の雑種にすぎん」
さすがにこれには征服王も色をなくしたが、征服王はそのまま会話を続けた。
「そこまで言うんなら、まずは名乗りを上げたらどうだ? 貴様も王たる者ならば、まさかおのれの威名を憚りはすまい?」
その質問がアーチャーの逆鱗に触れたのか一目見れば分かるぐらいに怒っていた。
「問いを投げるか? 雑種風情が、王たるこの我に向けて?」
乗っている街灯を踏み
「我が拝謁の栄に浴してなお、この面貌を知らぬと申すなら、こんな蒙昧は生かしておく価値すらない!!」
そう告げた瞬間アーチャーの背後の左右の空間が歪み、虚空から豪華な装飾が施された剣と槍が出現した。
その二つはどちらも宝具としか思えない魔力を帯びており、切っ先は二つともライダーに向けられていた。


ここにいた者、これを見ている者全てに緊張が走った瞬間それは起きた。
あらぬ場所から魔力があふれ出したのだ。
そして次の瞬間それは形を成した。
英霊なら、語り継がれる華々しい戦果や何かしらの活躍がある。
それに当てはまらない英霊もいるが、それはアサシンやキャスターのようなクラスに呼ばれる事が多い。
だが目の前のサーヴァントは何処の伝承にも効かないような恰好をしていた。
そういうなれば戦士だ。
紅い兜の様な物をかぶりそこから長い金髪が出ていて、腕と足とボディは紅くそれをつなぐ四肢は黒い戦士。
「……なぁ征服王。アイツには誘いをかけんのか?」
ランサーは口調こそ軽いが、その眼は油断無く戦士を見据えている。
「誘おうにもなぁ。ありゃあ、のっけから交渉の余地なさそうだわなぁ」
戦士から放たれるモノは殺気以外何も無い。
そしてそれは一人のサーヴァントに向けられていた
「で、坊主よ。サーヴァントとしちゃどの程度のモンだ? あれは」
全てのマスターには聖杯からサーヴァントのステータスを読み取るための透視能力が与えられる。
「バカにするなよ。……典型的なバーサーカーだよ。殆んどのステータスがAとBで俊敏が最も優れてる」
その言葉に「ほう」と言い再び狂戦士にその目を向ける。


「どうやら、アレもまた厄介な敵みたいね……」
アイリスフィールが緊張気味に言った。
「それだけではない。四人を相手に睨み合いとなっては、もう迂闊には動けません」
アイリスフィールを守るために移動したセイバーも全てのサーヴァントに目を配らせながらそう言う。
バトルロワイヤルでは普通、一番弱いモノを狙い打ちにする。
セイバーとランサーにとって今一番決着を付けるべき相手はお互いだ。しかし、こんな状況になってしまっては決着は先送りだ。
ライダーは今夜の所は聖杯戦争に参加する英霊の顔ぶれを見ておきたかったのだろう。しかし、出てきた以上は挑まれたら受けるだろう。
アーチャーはライダーの宣言が気にくわなかったのだろう。
現在はライダーのみを標的としている。
では残りのバーサーカーは? 
普通ならこんな戦略もへったくれもない混沌とした戦場にサーヴァントを解き放とうとは思うはずがない。
それ故一番警戒するべき相手だ。
そしてその沈黙をあるサーヴァントが破った。
「誰の許しを得て我を見ておる? 狂犬めが……」
アーチャーだった。
実際のところ、バーサーカーは実体化してからずっとアーチャーの方しか見ていなかった。
普通は人を見ることには許しを得ることはない。
しかし、アーチャーにとってはそれは普通だ。
しかしその行為をしているのが自分にとって下劣なサーヴァントだったらそれは許し難い行為だった。


ライダーの方に向いていた二挺の宝具の切っ先はバーサーカーの方に向けられた。
「せめて散りざまで我を興じさせよ。雑種」
次の瞬間、二挺の宝具がバーサーカーに向けられて放たれた。
続けて起こる爆発。
その光景にサーヴァント達は驚愕を隠せなかった。
少しし煙が晴れると、そこには先に飛んできたアーチャーの剣を手に持っている無傷のバーサーカーが立っていた。
更にバーサーカーの近くにはクレーターがあり、その中央には二撃目の槍が刺さっていた。
「奴め、本当にバーサーカーか?」
ランサーが油断無く言う。
それに応えるようにライダーが唸るように言う。
「狂化して理性を無くしているにしては、えらく芸達者な奴よのぉ」
「えっ?」
言葉の意味が解らないんか疑問の声を上げるウェイバー。
「何だ分らなかったのか?あのサーヴァントは先に飛んできた剣を体をわずかにずらし避け剣をつかみ続く第二撃目の槍を打ち払ったのだ」
理性をなくしているサーヴァントには普通できないがそれを目の前のサーヴァントは難なくやって見せたのだ。
驚愕しない方がおかしい。
ウェイバーやほかの陣営が驚愕していたがひとりだけは違った。
「……その汚らわしい手で、我が宝物にふれるとは、そこまで死に急ぐか、雑種ッ!!」
アーチャーにとっては驚きよりも怒り一色に支配されていた。
そして怒鳴ると同時にアーチャーの背後に十六挺の宝具が出現した。
最早、アーチャーにとってライダーはどうでも良い存在。
今は自分の宝物をふれた雑種を殺す方が最優先らしい
アーチャーの宝具は剣や槍ばかりではない。
斧もあり槌(つち)や矛もある。
最早何に使うのかさえも分からない武器までもある。
「そんな、馬鹿な……」
ウェイバーが絞り出すように呟く。
だが思っていたことは皆同じだった。
何も英霊が保有する宝具は何も一つとは限らない。ランサーも二槍の宝具を持っているように、二つ以上持っている英霊もいる。
だがアーチャーの宝具は何だ?
いったいどこにこれほどの宝具を所持するサーヴァントがいるのだろう。
「……」
バーサーカはアーチャーが宝具を展開すると同時に無言で柄らしきものを空いた手に取り出す。
そしてそれを持った瞬間ブゥゥンと音が鳴り緑色に輝く刃を出した。
「なんだよ……あれ」
その言葉はもっともだった。
誰も見たことも聞いたことも無い剣だったからだ。
そうたとえるならガ○○ムに出てくるビームサーベルの様なものだ。
「なんだ、珍しい武器を持っておるなあ奴は」
驚愕と同時に面白いものを見つけた様にライダーが言う。

そして次の瞬間、
「その小癪な手癖の悪さでもって、どこまで凌ぎきれるのか……さぁ、見せてみよ!!」
号令と共に、武器は一斉にバーサーカー目掛けて放たれた。
それは、弾丸のように速く、並のサーヴァントなら瞬殺されるような勢いだった。
そう、並のサーヴァントならばだ。
そして目の前のサーヴァントは並のサーヴァントではなかった。
目の前のバーサーカーを見て誰もが驚愕していた。
バーサーカー宝具の雨を前後左右に動き完全に避けていたからだ。
まれに避けられないのが飛んで来たときは両手に持つ得物で打ち払っていた。
驚くべき速さと動体視力だ。
ここにいるサーヴァントが何人同じことをやれと言われ無傷でできようか。
「おいおい。あ奴は本当に一体どこの英霊なのだ?」
ライダーが言ったことはこれを見ているものがすべて同じように抱いた疑問だった。
見たことのない恰好、見たことのない剣、そして驚くべき身体能力、このどれも一致する英霊を誰も知らなかった。

そして、少しの攻防の末アーチャーが展開していた宝具が撃ち止むと同時に先ほど掴んだアーチャーの剣をブーメランのように投げアーチャーが立っていた街灯を真っ二つにした。
アーチャーは街頭が破壊されたと同時に地面に降り立った。
「痴れ者が……。天に仰ぎ見るべきこn!!」
アーチャーの言葉は途中で遮られた。
何故なら、バーサーカーはアーチャーが降りた瞬間にはすでに動いておりアーチャーが振り向いた瞬間には目の前に迫り剣をふるっていたのだ。
アーチャーは反射的に動くがわずかに遅く剣はアーチャーの首をかすめ血を流しアーチャーはバランスを崩し片膝をつきバーサーカーはそのまま前に進み止まり振り向いた。
そして少しの沈黙の後、アーチャーが口を開いた。
「痴れ者が。……天に仰ぎ見るべきこの我を同じ大地に立たせるだけでなく、血を流させ、膝を柄せるだと?調子に乗るなよ雑種!!その不敬は万死に値する!!もはや肉片ひとつも残さぬぞ!!」
そして、再び現れるアーチャーの宝具。
その数はゆうに100は超える。

「……いちいち口うるさい奴だ」
唐突にバーサーカーがしゃべった。
そうバーサーカーがだ。
バーサーカーは狂化のスキルで理性を失う。
そもそもこのサーヴァントのクラスを決めたのはアーチャーに敗れ敗退したアサシンは無く、キャスターは前線にはまず出ない。
それ故にこのサーヴァントはバーサーカだと思ったのだ。
なのに目の前のサーヴァントはどうだ?
意識をはっきりさせ喋ったのだ。
「何なんだよ……あのサーヴァント」
未知の恐怖にさらされウェイバーは言った。
そして、それを思ったのはウェイバーだけではなかった。
「……セイバー」
アイリスフィールは目の前の自分を守ってくれているサーヴァントに声をかける。
「わかっています。しかしあのサーヴァントは異常すぎる。ここにいるどのサーヴァントよりも……」
一切の警戒を解かずにセイバーは言う。
だがセイバーは内心焦っていた。
もしも目の前のサーヴァントが次に自分に勝機があるのかを。
万全ならそんなことはみじんにも思わなかっただろうが今の自分は手負い。
しかも、後ろには守るべきアイリすフィールがいるのだ。
こちらに分が悪すぎる。
そして目の前の光景に変化が訪れた。
バーサーカーに魔力が変化しだしていた。
それを示すのはつまり、
「宝具の使用……」
アイリスフィールが呆然と呟く。

バーサーカーそしてアーチャーの魔力が爆発するそう思った瞬間再び変化が起きた。
アーチャーが突如動きを止め、虚空を睨み付けたからだ。
「貴様ごときの諫言で、王たる我の怒りを鎮めろと? 大きく出たな時臣……」
どうやらマスターが帰還するように命令したらしい。
そして、アーチャーは宝具を全て消した。
それと同時にバーサーカの魔力も散る。
「……命拾いをしたな雑種」
その瞳には怒りが今だあるが、先程までの激しさは無い。
「雑種ども。次までに有象無象を間引いておけ。我と見(まみ)えるのは真の英雄のみで良い」
そう言い残し、アーチャーは黄金の輝きを残しながら実体化を解いた。


「……」
ゼロは無言でZセイバーを消す。
そして、他のサーヴァントを一瞥するとすぐさま帰還しようとしたがそれに待ったをかけるものがいた。
「おいおい待たんかバーサーカー」
その声にゼロは振り向き、
「……なんだライダー」
答えた。
「貴様何者だ?それともあのアーチャーのy「ゼロだ」んっ今なんといった?」
そしてもう一度答えた。
「俺は……ゼロだ」

そしてこれがかつて異世界を自分の命を捨ててまで救った紅き英雄とこの世界の英雄たちとのファーストコンタクトだった。



明日辺りにでも次の話を上げます。


それでは



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