秋田・クマ牧場:残ったクマどこへ…引き取り手なく
毎日新聞 2012年06月09日 11時29分(最終更新 06月09日 13時22分)
ずさんな管理のため、事故後2週間以上たってから、生後約3カ月の子グマ2頭がいることが県の調査で判明。一方、衰弱の激しかった2頭が5月下旬、相次いで死んだ。首などにかじられたとみられる傷痕もあった。
04年に閉鎖した札幌市の定山渓クマ牧場は、現在も約10頭を飼育している。同市動物管理センターは「引き取り先を探したがみつからなかったと聞いている」。
クマを救おうとする動きもある。秋田県大館市の市立総合病院などは事故前からの残飯提供を継続。個人や団体からトウモロコシなどの寄付もあった。自然保護団体「日本熊森(くまもり)協会」(兵庫県西宮市)は餌代などのための寄付を呼びかけている。同協会の森山まり子会長は「クマを使うだけ使って、経営が破綻したら殺処分、ではいけない。飼ったからには最後まで責任を持つべきだ」と指摘する。
事故について、死亡した女性従業員の息子は「母がなぜ死ななければならなかったのか。明らかにしてほしい」と、やり切れない思いを口にした。
日本熊森協会への寄付は、郵便振替00980・1・301781「八幡平クマ牧場クマ基金」。