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尖閣国有化へ前進 地権者と「20億円」交渉が本格化

尖閣国有化の交渉本格化 尖閣諸島
国と地権者側の交渉が順調に進んでいることが分かった尖閣諸島 
Photo By 共同 

 政府が沖縄県・尖閣諸島の9月中の国有化も視野に地権者側と本格的な交渉に入っていることが26日、分かった。領有権を主張する中国側の強硬姿勢を踏まえ、国による管理の必要性を強調し、買い取り額として約20億円を提示。地権者側も柔軟姿勢を見せている。ただ、石原慎太郎東京都知事も購入計画を表明しているため最終合意までの曲折や、中国側の反発も予想される。

 関係者によると、7月末ごろ、野田佳彦首相の指示に基づき長浜博行官房副長官が地権者とひそかに接触。これとは別に政府関係者が地権者側近と複数回交渉している。

 地権者側は国より先に購入方針を示した石原氏側との交渉を優先する意向だったが買い取り額が定まらないなどの理由で協議が停滞。今月中旬には石原氏との会談予定をキャンセルし、22日に都が国に正式提出した上陸申請に地権者の同意書は添付されていなかった。

 政府内では、香港の活動家による今月15日の尖閣・魚釣島上陸を受け、尖閣諸島を安定的に保全、管理するために購入を急ぐべきだとの声が強まっている。石原氏は都が購入してから国有化する案を示しているが「時間がかかるし実現の保証がない」と断る意向で、都の上陸申請も不許可とする方針だ。

 石原氏は対中強硬派で知られ、政府は都に所有権が移れば、中国との摩擦が激化する恐れがあると懸念。韓国の李明博大統領の島根県・竹島訪問をめぐり、日韓両国は激しく対立したが、政府は実効支配している尖閣諸島での不測の事態を避けるためにも国有化が得策と判断している。中国は秋の共産党大会で最高指導部が交代するため、新指導部をいきなり刺激しないよう大会前に購入しようとの思惑もある。

 尖閣諸島は主に5つの島で構成し、1つは既に国有化されている。残る4つも政府が地権者と賃貸借契約を結んでおり、今回はこのうち3島の買い取りで地権者側と本格的交渉に入っている。

 だが、石原氏は24日の会見で尖閣購入に向けた現地調査の概要を発表し、再調査では自ら同行する意向を表明。また、国有化となれば都が尖閣諸島購入や活用のために集めた寄付金約14億4000万円(23日現在)が宙に浮く。首相と石原氏が8月中旬に会談していたことが明らかになったが、寄付金の扱いなどを議題とした可能性がある。政府は円滑に国有化を進めるためにも石原氏側と調整を続ける考えだ。

 一方、中国は日本政府の国有化方針を非難。国有化が現実となれば、反発拡大も予想される。

[ 2012年8月27日 06:00 ]

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