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きっかけはこの記事にコメントを頂いたことだ。
ブログに書いたときも既に読んでからかなり時間が経っていたのだが、
好きな本だったので記事にしておきたかったのだ。

「初恋」というタイトルに改題され、そして著者名もまったく変わっており、
更に映画化が進んでいるという。
コメントを頂いた中原みすずファンさんの情報を元にいろいろと調べると、
なるほど改訂する理由があったようだ。

それにしても、あまりにもオリジナルの原作とはかけ離れている。
だいたい「初恋」というタイトルが凄い。
主人公の女子高生の恋…が視点ということのようだ。
確かに僕もこの本を読んだとき、
そのストーリーの柱である三億円事件よりも二人の恋物語のほうが印象に残った。
しかし「初恋」は無いだろうと思う。この小説のイメージからは遠い言葉だと思うのだが…。

ただ、「褐色のブルース」だろうが「初恋」だろうが内容には変わりは無いので、
この小説が多くの人に読まれたことは良かったと思う。

加筆と修正の内容を読み比べて細かく調べるつもりは無いが、
実際の読後感は多少違うものであった。
章立てからしてまったく異なっている。
オリジナルは全部で十章だが、改訂版は十五章である。
実際にどのくらいの加筆があったのかはわからないが、個人的には長くなったという印象だ。

オリジナルにあった60年代の新宿の香りは、
気のせいかもしれないが、かなり薄れてしまったように思う。
それは少し残念であった。

音楽でいうリミックスであるが、理由があるにせよ、小説のこういったことは興味深い。
他にも似たようなケースがあるのだろうか?

CIMG4232.jpg


中原 みすず
リトルモア
発売日:2002-02-15

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