米国の陪審による評決は、韓国での判決だけでなく、英国やオランダなど欧州での判決の傾向とは大きく異なっている。今回の評決で認められたデザイン特許はこれまでの欧州の裁判ではほとんど認められたことがない。「角が丸い四角形」「平らな画面」といった一般的なデザインを特定企業が独占することはできない、というのが結論だった。一方、米国での評決では、サムスン電子の通信関連の特許が全く認められなかったため「今後も無断使用できる」という認識が広がる懸念もある。
陪審員は米国を代表する企業であるアップルや自国企業に有利になるか、不利になるかを基準にしたのではないかとの見方もある。サムスン電子が申請した証拠、証人が米国の裁判所で相次いで認められなかった点をめぐっても、偏向裁判ではなかったかとの指摘がある。
サムスン電子とアップルは韓国、米国、日本、ドイツ、フランスなど9カ国で30件の訴訟を展開している。日本では31日に判決が下される予定だ。サムスン電子は米国での評決が他国での裁判にも影響を与えるのではないかと神経をとがらせている。
専門家は「今回の評決は経済の老化と世界的な不景気が重なった米国で、保護主義が台頭した結果ではないか」と懸念している。米商務省が最近、家電大手ワールプールの主張を認め、韓国製洗濯機に82%の反ダンピング関税の適用を決めたことをめぐっても、保護主義的との指摘がある。
韓国が犠牲になる保護主義が米国以外の国にも広がるのではないかとの懸念も出始めた。フランス政府が欧州連合(EU)に韓国製自動車の輸入規制を求めたのは、韓国企業をけん制する保護貿易主義が背景にあるとされている。