シリア北部で取材中、戦闘に巻き込まれ死亡したジャーナリスト山本美香さん（４５）の遺体を納めたひつぎは２６日午後９時４０分ごろ、山梨県都留市の実家に遺族らの手で運び込まれた。待っていた遺族から「お帰り」とむせび泣く声が聞こえた。
遺体とともに帰宅した父孝治さん（７７）は、実家前で記者団の取材に応じ「２週間ほど前に送り出した娘が声なく帰って来ました」と沈痛な面持ちで語った。
その上で、「凶弾に倒れたことは無念だが、眠い眠いと（実家で）昼すぎまで寝ていた時と同じような顔で帰ってきてくれた。（遺族には）これがせめてもの救いです」などと話した。
孝治さんは「これからは娘の歩んできた道を振り返りながら、明るい平和な社会が世界各地で取り戻せるよう祈りたい」と述べた。