運転免許証を自主的に返納する高齢者が急増している。6月までの半年間で前年の返納数の8割を超えた。返納者への支援策の広がりに加え、身分証明書となる「運転経歴証明書」が生涯有効になったためとみられる。
警察庁によると、今年1〜6月の自主的な免許の返納は約5万9700件(暫定値)。2011年は約7万2700件で、上半期だけで11年の約82%に達している。過去10年では返納者の9割前後を65歳以上が占めており、今年も大半が高齢者とみられる。
背景にあるとみられるのが、免許を返納した際に受け取れる経歴証明書が、今年4月から生涯使えるようになった点だ。新しい経歴証明書の発行数は4〜6月の3カ月間で約3万1千件(暫定値)と、過去最多だった11年の約2万9200件をすでに上回った。
経歴証明書は、金融機関での口座開設や携帯電話を買う時に公的な身分証明書として使えるが、これまでは有効期間が発行後6カ月だった。再発行できず、「身分証明書がなくなる」という声も多かった。