せっかくバーサーカーry
すぐに消すと言ったな、あれは嘘だ
コメント貰えたから消さないことにしました!だってもったいないからね!
残念なことにせっかくシャーレイは残業のせいで完成させられなかった。もう後3分の1くらいで完成するんだけど……。もう少し待っててくだしあ><
『せっかくシャーレイに憑依したんだからショタ嗣とナタリアさん助けちゃおうぜ!』
‡バーサーカーサイド‡
「こら!お前が居眠りしてどうするんだ!」
「……うご?うごご……?(´ε` )」
机で居眠りしてると、雁夜おじさんに後ろ頭を引っぱたかれて起こされた。こっちは寝ずにおじさんのために頑張ってるんだから、ちょっとは労ってくれてもいいじゃない。雁夜おじさんの魔力量が少ないからセーブもしないといけないんだし、もう少し寝かせてよ。
あー、眠気が凄い。波みたいに押し寄せてくる。夢の中でまた寝るってのも妙な話だけど、眠いものは眠いんだから仕方がない。うむむ、やっぱり限界。悪いけどもうちょっとだけ寝かせてくれ。今日の晩飯はいつもより腕を振るうからさ!
「お前なあ、居眠りするサーヴァントなんてきっと前代未聞だぞ!?大食いのサーヴァントくらい有り得ないっつーの!!たまには見張りくらいして―――……おい……」
「また寝ちゃったね。きっと疲れてるんだよ。もう少し寝かせておいてあげよう。それに、なんだかとっても可愛いよ」
「うごご……(-ω-)zzZ」
「はぁ……。あと30分経ったら起こすから、ちゃんと起きるんだぞ」
おkおk。把握しますた。それじゃあ、おやすみ~。
‡ショタ嗣サイド‡
コロシテ―――
大好きな|女性《ひと》の顔をしたソレは、噎び泣くように、切嗣にそう懇願した。
「シャー、レイ……」
怖いの―――
自分の手じゃ、出来ない―――
だから、お願い。キミが、殺して―――
今ならまだ、きっと間に合う―――
「そんな……」
銀のナイフが切嗣の足元に投げられる。刀身が放つ冷たい輝きに気圧されるように、かぶりを振って後退る。
彼には出来なかった。シャーレイを家族以上の存在と、大切な女性と想っていた彼に、彼女を殺すなど出来なかった。例え、|手遅れ《・・・》だとわかっていても。
震える切嗣の目の前で、シャーレイが自らの腕に深く牙を立てる。ブチュリ、と肉を食い千切る音が鼓膜に滑りこむ。
お願いだから―――
もう―――駄目だから―――抑えきれなくなる前に―――早く―――
オネガイ―――
「う―――うわぁああああああああ!!!」
変わり果ててしまった少女から目を背けるように、決断を迫るナイフから逃れるように、切嗣はその場から走り去った。この悪夢を解決してくれる大人がいるはずだと自分を奮い立たせ、ただひたすらに駈けた。冷静な自分が「彼女のことは諦めろ」と囁く声を己の悲鳴で掻き消しながら、必死に神父の教会を目指した。
だから、背後のシャーレイに起きた変化に気付くこともなかった。
‡シャーレイサイド‡
「いったい全体、何がどうなってんだ?雁夜おじさんはどこだ?桜ちゃんは?」
ポニーテールの頭をボリボリと掻いて、よっこらしょと億劫に立ち上がる。眠るまでは兜を被ってたはずなんだけど、今は生身のようだ。なんだか口の中に鉄の味を感じる。ついさっきまで自分の腕を噛んでたせいだろう。どうしてそんなことをしていたのやら。
足元には無残に食い散らかされたケンタッキー(調理前)が散乱してる。近くに落ちていたナイフを拾って刀身を覗けば、赤い目をした少女がこちらを覗き返してきた。
「ははあ、なるほど。今度はシャーレイに憑依する夢か。夢の中で眠ってまた夢を見るってのも変な話だな」
栗色の髪と白蝋のような不気味な肌は、原作の描写そのまんまだ。静脈が浮き上がっている様子は、まるで顔中に亀裂が走ってるみたいだ。バーサーカーとなった俺は雁夜おじさんの家で居眠りをしていたはずが、気付いたら死徒化したシャーレイになっていたというわけだ。まったく訳がわからないぜ!
「夢の中の夢とはいえ、俺の夢には違いない。ここでも好きにさせてもらおうじゃないの!」
そう言い放ち、足元のケンタッキー(調理前)をひょいパクと少しつまみ食いして腹を満たすと鶏小屋を飛び出してすぐさま遁走を開始する。死徒化したこの身体は身体能力が高いから、バーサーカーの時には及ばないまでもそれなりに速く動けるのだ。
原作通りなら、この後すぐに神父からの連絡で聖堂教会がやって来て、その動きを嗅ぎつけた魔術協会が追いかけてくるはずだ。そして二大勢力が死徒殲滅と証拠隠滅のためにこの島を亡き物にして、それから逃れた切嗣は衛宮矩賢―――自分の父ちゃんを殺してナタリアさんと一緒に島を出るんだっけか。
俺は誰かを死徒化させたりなんかしてないけど、俺がシャーレイに憑依する前にすでに誰かを襲ってたのかもしれないし、「死徒化してようがいまいがそんなの関係ねえ!」と問答無用で二大勢力が住人を皆殺しにするかもしれない。それに巻き込まれる前に脱出しなければ命はない。殺されてたまるもんか!シャーレイはクールに去るぜ!
「たしか衛宮父ちゃんがボートを隠してるはずなんだよな。お、あったあった」
海岸をウロウロしていると、迷彩柄のシートに隠された掘っ立て小屋の中に小型のモーターボートを見つけた。闇夜でも視界がハッキリ見えるようになってるから案外簡単に見つけられた。死徒便利すぎワロタ。
「なんじゃこりゃ!ろくに整備もされてないじゃないか!よしよし、ここは舶用機関整備士とマリン船体整備士と船舶電装士の資格を持つ俺が手を加えてやろうじゃないか!」
衛宮父ちゃんは機械には精通していなかったようで、小型のモーターボートは「動けばいい」というような状態で放置されていた。これじゃあ、洋上で動かなくなても文句は言えない。幸いなことに、掘っ立て小屋の中には工具やガラクタみたいな機械が転がってる。これを役立てないわけにはいくまいて!
「光をかざして~躊躇いを消した~あげたかったのは~未来で~♪泣いてる夜抱いたまま~嘆きを叫んで~♪」
トンテンカントンテンカンとリズムをつけながらモーターボートを改造していく。機械いじりはいいね。心が洗われるようだ。そうだ、この夢が覚めて雁夜おじさんのところに戻れたら、どこかから車を持ってきて改造しよう。切嗣さんのとこから取ってきた武器も取り付けたり何たりすれば、もしもの時に良い戦力になりそうだ。ギルガメッシュのヴィマーナもライダーのゴルディアス・ホイールも健在だしね。名前は、そうだなぁ、『バーサーカー・ホイール』なんていいかもしれん。
「んむ?」
ふと、何やら複数の声がこちらに近づいてることに気付いた。
「こっちから物音がしたぞ!」「下手くそな歌も聞こえた!」「魔術協会の連中もいるぞ!先を越されるな!」
「聖堂教会の奴らがいるぞ!」「死徒の生き残りがいるのかもしれん!」「奴らより先に殺せ!」
ムカッ!カラオケ歌唱力検定で一級をとった俺の美声を下手くそだとな!?耳が腐ってんじゃないのか!『oath sign』は神曲だっつーの!反論は認めん!
そっと窓から顔を出してみると、向こうの方からローブを着込んだ男たちとダークスーツの男たちが地面を滑るように駆け寄ってきてた。どちらも人間とは思えないくらい素早い動きだ。両組織から派遣された殺し屋だろう。もうこっちに気付いたのか。今の俺じゃあ太刀打ち出来ずに瞬殺されてしまう。ここはさっさと退散するに限るぜ。あばよ、とっつぁ~ん!
「シャーレイ号、発進!!」
手元のボタンを押した瞬間、ドラム缶を利用して造ったロケットが点火されて炎が一気に噴出する。ズドン!という爆発音を後方に置き去りにして掘っ立て小屋の壁を突き破り、そのまま空中に弧を描いて海面に激しく着地する。
使い終わったロケットを切り離してお手製の安定翼を展開させ、|船外機《エンジン》のスターターロープを思いっきり引っ張る。船外機では世界一のシェアを誇るヤマハ製のV-MAX SHOエンジンが唸りを上げて海水をかき乱し、ボートをグンと力強く押し出す。
|エンジン内部《ジャケット》を少しイジってやったからスピードは通常仕様とは段違いだ。航行速度は加速度的に早くなって、海岸の光も見る間に遠ざかってゆく。
「死徒が逃げだぞーっ!」「追え!逃がすな!」「絶対に殺せ!!」
「そう上手くはいかないんだなこれが。3、2、1、」
ドッカーン!!!
掘っ立て小屋の燃料タンクに仕掛けた手作りの時限爆弾が時間ピッタリに爆発して、海岸に巨大な炎の柱が現れる。海岸が昼間のように明るくなって、島全体が震えるほどの衝撃波を間近から受けた殺し屋の連中が宙高くに吹っ飛んでいくのが微かに見えた。
「ザマーミロ!他人の歌を馬鹿にするからそういう目に遭うんだ。反省しろよ!
……むむ、なんだか吐き気がするな。それに全身が痒い。そういえば死徒って吸血鬼みたいなもんだから水とか苦手なんだっけか?」
急に痒くなった肌をボリボリと掻きながら星座を見て位置と方角を確認して近場に島がなかったかを思い出す。こぐま座があの辺だから、もうちょっと北西に進めば大きな島があったはずだな。燃料はなんとか持ちそうだ。
とりあえず生き延びれそうだということで心に余裕が生まれたら、心配になるのはショタ嗣くんのことだ。凄い悲鳴を上げて俺から逃げていく悲しそうな背中が見えたし、アイツはこれから大変な人生を送ることになるわけだ。子どもの目が死んでいくのは気の毒だし、なんとかしてやりたいという気持ちもある。
「よし、決めた!ボチボチ死徒ライフを楽しんでからチャチャッと助けてやりますか!待ってろよ、ケリィ!!」
夜明け間近の暁の海を爆走しながら、俺は高らかに宣言したのであった!!
―――あちちっ!日光痛ぇ!死徒不便すぎワロタ!!
‡ショタ嗣サイド‡
『ひょっとすると、私ももう、ヤキが廻ったのかも知れないね。
こんなドジを踏む羽目になったのも、いつの間にやら家族ゴッコで気が緩んでたせいかもな。だとすればもう潮時だ。引退するべきかねぇ……』
「―――仕事をやめたら、あんた、その後はどうするつもりだ?」
魔術協会を相手に商売する、フリーランスの女ハンター―――それが、ナタリア・カミンスキーだった。実の父を殺した切嗣は、アリマゴ島から脱出した後はナタリアの元でハンターの助手として過ごした。同年代の少年少女らが多感な思春期を遊戯や勉学で過ごすところを、切嗣は徹底的な殺人の技術を叩きこまれて育った。彼の目から若者の光は消え、沈鬱に枯れたガラス玉のような眼球があるだけだ。
世界ではアリマゴ島で起きた悲劇は珍しくもなく、今この瞬間も身勝手な魔術師たちが災厄を振りまいては二大組織がそれを抹消し、時には利用しようと暗躍して大勢を殺し尽くしている。それを知ってしまった今、たった一人の肉親をこの手で殺したことに価値を見出そうとするのなら、父と同じ異端の魔術師を全て殺し尽くす必要があった。
『失業したら―――ハハ、今度こそ本当に、母親ゴッコぐらいしかやることがなくなるなぁ』
修羅の道を決意した少年を、ナタリアは厳しい師として鍛え続けた。甘やかすことも手抜きもせず、本気になって切嗣に己の技術を仕込み、見守ってきた。血と硝煙に塗れた日々ではあったが、互いが互いを心の中では家族のようだと思っていた。
「あんたは―――僕の、本当の家族だ」
その家族が必死に操縦するジャンボ機を、切嗣は洋上に浮かべたモーターボートから携帯式ミサイルで狙っていた。ブローパイプ・ミサイルの照準器を覗きこみ、遥か向こうに見える小さな機影―――エアバスA300にレティクルを合致させる。
この日、ナタリアは封印指定の魔術師をジャンボ機の中で暗殺する仕事についていた。しかし、魔術師は死に際に使い魔の蜂を解放させ、乗客を次々に死徒化させた。ナタリアは無事なものの、残りの乗員乗客は全て死徒と化してしまった。ナタリアは自分が生き残るために空港に着陸する腹積もりらしいが、切嗣にはそれは認められなかった。数百人に及ぶ死徒が一斉に地上に解き放たれれば、周囲一帯に地獄が生まれるのは火を見るより明らかだ。アリマゴ島の悲劇が何倍にもなって再び切嗣の前に現れることは、断じて阻止しなければならない。切嗣はそう判断し、ナタリアを確実に殺すべくこうして携帯式ミサイルを持ってジャンボ機を狙っているのだ。
それはどうしようもなく正しいことだった。たった一人を犠牲にして大勢が助かるのなら、そうすべきだ。あの時、自分がシャーレイを殺しておけば大勢が死ぬことはなかった。その失敗を繰り返してはならない。ナタリアと過ごした日々が瞬く間に脳裏を過るが、引き金にかけられた切嗣の指が狂うことはない。今の切嗣は、天秤としての役割を果たすだけの正義の傀儡だ。
照準器が小さな電子音を立ててターゲットを|捉えたこと《ロック》を知らせる。反射的に引き金に力がかけられ、
―――ゴボゴボゴボ
「……え?」
不意に、船体のすぐ横の海面がボコボコと泡立った。海底火山からの噴出にしては小さいし、海棲生物によるものにしては大きい。例えるなら、これは―――ダイバーが浮き上がってくる際に見られる前兆によく似ている。
その符号に気付いた切嗣は一瞬だけ逡巡し、ロックを解除したミサイルから手を離して腰の9ミリ拳銃を抜き放つと海面に突きつける。睨み据える視界の中で、何者かの黒い影がゆっくりと海面に近づいてくる。
果たして海面から顔を出したのは、
「―――ぷはぁ!やっほー、ケリィ。元気してた?」
「―――は?」
かつて恋した女で、かつて殺してやれなかった死徒が、そこにいた。
さすがの切嗣もこんな事態は想定の範疇になかった。まさか再会できるなど思ってもいなかったし、ましてやこのタイミングでこの場所に彼女が現れるなど、どうして予想できようか。
目をパチクリとさせて硬直する切嗣を置いてきぼりに、ダイバースーツを着込んだシャーレイがよっこいしょとモーターボートに乗り込んでくる。その反動で船体がゆらりと揺れて、彼女が亡霊や幻覚の類ではないことを切嗣に教える。
彼女との再会を喜んでいいのか悲しんでいいのか、懐かしんでいいのか嘆けばいいのか、判断がつかない。混乱する感情を無理やり隅に押しのけることで既の所で冷静さを維持した切嗣が、シャーレイに疑問をぶつける。
「なぜ君が生きてるんだ!?君は、父さんの試薬に触れて死徒になってしまって、アリマゴ島で殺し屋たちに処理されたはずじゃ……!?」
呆然と問いかける切嗣に、シャーレイは「ああ、そのことね」とまるで世間話をするようにあっけらかんと答える。
「どうやら私、死徒化に成功したらしいのよ。吸血衝動も克服しちゃったわ。健康管理士の資格は伊達じゃないってことね。
それと、島の南側の海岸で爆発があったのを覚えてる?あれ私がやったの。ケリィのお父さんが隠してたボートを使わせてもらったついでに、ちょちょっと仕掛けをしたわけよ」
まるでイタズラの告白をする子どものように歯を見せて笑ってみせる。
そういえば、島から逃げる際に後方から大きな爆発音が聞こえたのを覚えている。後で聞いた話では、アリマゴ島での死徒殲滅の際に聖堂教会と魔術協会の殺し屋が爆発事故に遭い、多くの重軽傷者が出るという不祥事があったらしい。まさか、それがシャーレイの仕業であったとは思わなかった。
彼女はこんな素っ頓狂な性格だっただろうかと内心で首を傾げながら、さらに問う。
「き、君が生き延びた理由はわかった。でも、なぜ僕がここにいるとわかったんだ?どうしてここに来たんだ?」
「あれ?約束、忘れちゃったの?」
「約束……?」
ボートの縁に腰掛けて不可解なことを告げるシャーレイを凝視する。その明るさも、容貌も、体格も、切嗣が最後に見た時から何も変わっていない。見た目だけでは、切嗣の方が年上に見える。成長が止まっているのは、彼女が未だに死徒である証拠だ。
死徒は殺さなければならない、と強迫観念のような衝動に銃を保持した腕が自動的に持ち上がるが、その前にジャンボ機を撃墜しなければ間に合わなくなると理性が叫び、シャーレイを失いたくないと感情が密かに涙する。
様々な要因と逼迫した状況に銃口が震える。苦悩に眉を寄せて拳銃を突きつけてくる切嗣に、シャーレイは微笑んだままそっと手を伸ばす。白蝋のように白く細い指がまっすぐに切嗣の目を指さす。
「“大人になったケリィが何をするのか、この目で見届けさせて”。そう言ったでしょ?
それで、大人になった君は、今何をしようとしてるの?」
「―――あ―――」
眩い日差しの中で彼女と約束を交わした情景が眉間を貫いた。衝撃に意識が揺らぎ、グラリと姿勢がよろめく。
誰よりも大切だった彼女に誓おうとした衛宮切嗣の原点が、よりにもよって彼女から突き付けられる。今では磨り減ってしまった在りし日の決意の煌めきが、彼女の笑顔を通して切嗣の目の前に立ちはだかる。
「僕は―――『正義の味方』になりたかったんだ―――いや、今からなるんだ―――だから、こうして、大勢の命を救うために、ナタリアを―――母さんを―――」
彼女に打ち明けたかった夢のはずなのに、口にすればするほど自分が消えていくような気がした。空虚な台詞を吐き出す度に、大切な何かが切嗣の心から抜け落ちていく。
語尾に至るに連れて小さくなるその言葉を、シャーレイは「ふむ」と一度頷いて受け止めた。受け止めて、「やっぱりケリィはまだまだだね」と呆れて頭を振るう。
「ケリィ、自分の顔を見てみなよ。ほら」
言って、ダイバースーツのポーチから短剣を抜いて寄越してくる。忘れようもないその銀製の飾りナイフは、昔のままの美しさで切嗣の顔を刀身に映し込む。
「『正義の味方』ってのは、普通そんな顔はしないと思うよ?」
「―――ッ」
そこに映っているのは、変わり果てた| 殺 人 者 《セイギノミカタ》の顔だった。表情を殺されて硬化した顔面の中で、血走った瞳だけがギラギラと昏く燃えている。
遥か昔に夢見ていた英雄の姿とは似ても似つかない醜い人殺しの顔に、切嗣は軋るような呻きを漏らして後退る。
旅客機を撃墜することは、どうしようもなく“正しい”ことだ。大勢の無辜の人間を守護するために、例え母親同然の女性をこの手で犠牲にする必要があるとしても、その行いには大義があった。これを『正義』と呼ばずして何と言うのか。
幼い頃に夢見ていた弱者の為に戦う|英雄《ヒーロー》などどこにもいなかった。最大の救済を得るために最小の犠牲を切り捨てる冷酷な天秤こそ、切嗣が過ぐる日に憧れていた『正義の味方』の正体だった。
憧れ求めた|理想《ユメ》の真実を知り、その理想の担い手となる己の醜い顔を突き付けられた切嗣に、シャーレイは労るように優しく語りかける。
「ケリィはそんな顔をする大人になりたかったわけじゃないでしょ?今ならまだ間に合うよ。引き返せはしないけど、違う道を選ぶことはできる。ナタリアさんのことだって、きっと―――」
「だったらどうしろって言うんだよ!!」
叩きつけるような叫びがシャーレイの台詞をかき消した。目を丸くするシャーレイの肩を乱暴に掴み、胸の内で渦巻く激情を迸らせる。
「助けに行けるのなら行きたい!ナタリアにまた会いたい!面と向かって母さんって言いたい!でも、ダメなんだ!」
本音を漏らしたことでついにタガが外れたのか、涙が溢れ、声が嗚咽に震える。
「ナタリアはあの旅客機の中にいて、あの中には死徒が満載されている!あのままナタリアが生き残って空港に着陸してしまえば、一気に死徒が解き放たれ、倍々ゲームで増えていって、地上に地獄が生まれてしまう!
夢はただのユメでしかないんだ!どんなに崇高な理想を掲げたって、人間一人に出来ることなんてたかが知れてる!全てを救うことなんて出来やしない!やるしかないんだ、殺すしかないんだ!だから僕は―――」
「最後まで話を聞かんかクソガキ!!」
「あイりッ!?」
今度はシャーレイが切嗣の台詞を遮った。「だからお前は阿呆なのだ!」と言わんばかりの容赦のない鉄拳が顔面に炸裂し、切嗣の身体を吹っ飛ばす。ボートのデッキにもんどり打って倒れ込んだ切嗣をシャーレイが強く見下ろす。
「ケリィ、一人で何もかも背負い込もうとするのは君の悪いところだよ。アニメの主題歌でもあるでしょ?『考えてもごらん、仲間は素敵だね。一人より大勢、強いに決まってる』って」
「……なにそれ」
「地獄先生ぬ~べ~くらい見とけやクソガキ!!」
「いりヤッ!?」
死徒の腕力で放たれた強烈なビンタに頭がグラグラと揺れる。親父にもぶたれたことないのになぜシャーレイにここまでビシバシ引っぱたかれなければならないのかと朦朧とする頭で考えていると、目の前に白蝋のような白く細い手が差し出された。見上げれば、まるで姉のように嫋やかな微笑みを浮かべるシャーレイが切嗣の瞳を見つめていた。
死徒になっても変わらない優しげな表情に、切嗣は無意識にその手をとる。冷たくて、けれども柔らかい女の手だった。
「要するに、誰かと協力すれば不可能も可能になるってことよ。まあ、今回はシャーレイお姉さんに任せなさい」
「……どうするんだ?」
「いいからいいから。ちょっと無線機貸してくれる?」
言われるがままに無線機を渡す。何の確証もないはずなのに、なぜかシャーレイに任せれば解決するのではないかと思えてしまう。
「シャーレイ、旅客機がミサイルの射程圏内から出てしまうまで時間がない。やるなら早くしてくれ」
「おk。あーあー、ナタリアさん、聞こえますか?私、ケリトゥグ君のお友だちのシャーレイって言います」
『はあ?待て待て、まるで状況が掴めないんだが。いきなり切嗣と通信が切れたと思ったらいったいどうなってんだ?』
「混乱するのは当然だと思うのですが、そこは華麗にスルーしましょう。突然ですが、私は今あなたの乗ってる飛行機を携帯式ミサイルで狙っています。撃ち落とされたくなかったら私の指示に従って洋上に不時着してください」
「ちょ、シャーレイ!?」
「黙ってろクソガキ!!」
「まイやッ!?」
顔面中央に強パンチを受けて「前が見えねえ」状態になった切嗣を放置して、シャーレイは続ける。
『無理に決まってる!そんな高度な操縦は私にはできない!』
「大丈夫です、安心してください。私は事業用操縦士資格と運航管理者資格と航空管制官の資格を持ってますから、誘導なんて朝飯前ですよ。ほらほら、撃ち落とされたくなかったら指示に従う!まずはスロットルレバーをゆっくり下ろして―――」
………
……
…
結果だけを先に述べるなら、シャーレイの無茶苦茶な作戦は何とかなってしまった。170トンを超える鉄の塊の不時着によって生じた波に揺られながら、切嗣は洋上にプカプカと浮かぶジャンボジェットを呆然と見上げていた。
残念なことにせっかくシャーレイは残業のせいで完成させられなかった。もう後3分の1くらいで完成するんだけど……。もう少し待っててくだしあ><
『せっかくシャーレイに憑依したんだからショタ嗣とナタリアさん助けちゃおうぜ!』
‡バーサーカーサイド‡
「こら!お前が居眠りしてどうするんだ!」
「……うご?うごご……?(´ε` )」
机で居眠りしてると、雁夜おじさんに後ろ頭を引っぱたかれて起こされた。こっちは寝ずにおじさんのために頑張ってるんだから、ちょっとは労ってくれてもいいじゃない。雁夜おじさんの魔力量が少ないからセーブもしないといけないんだし、もう少し寝かせてよ。
あー、眠気が凄い。波みたいに押し寄せてくる。夢の中でまた寝るってのも妙な話だけど、眠いものは眠いんだから仕方がない。うむむ、やっぱり限界。悪いけどもうちょっとだけ寝かせてくれ。今日の晩飯はいつもより腕を振るうからさ!
「お前なあ、居眠りするサーヴァントなんてきっと前代未聞だぞ!?大食いのサーヴァントくらい有り得ないっつーの!!たまには見張りくらいして―――……おい……」
「また寝ちゃったね。きっと疲れてるんだよ。もう少し寝かせておいてあげよう。それに、なんだかとっても可愛いよ」
「うごご……(-ω-)zzZ」
「はぁ……。あと30分経ったら起こすから、ちゃんと起きるんだぞ」
おkおk。把握しますた。それじゃあ、おやすみ~。
‡ショタ嗣サイド‡
コロシテ―――
大好きな|女性《ひと》の顔をしたソレは、噎び泣くように、切嗣にそう懇願した。
「シャー、レイ……」
怖いの―――
自分の手じゃ、出来ない―――
だから、お願い。キミが、殺して―――
今ならまだ、きっと間に合う―――
「そんな……」
銀のナイフが切嗣の足元に投げられる。刀身が放つ冷たい輝きに気圧されるように、かぶりを振って後退る。
彼には出来なかった。シャーレイを家族以上の存在と、大切な女性と想っていた彼に、彼女を殺すなど出来なかった。例え、|手遅れ《・・・》だとわかっていても。
震える切嗣の目の前で、シャーレイが自らの腕に深く牙を立てる。ブチュリ、と肉を食い千切る音が鼓膜に滑りこむ。
お願いだから―――
もう―――駄目だから―――抑えきれなくなる前に―――早く―――
オネガイ―――
「う―――うわぁああああああああ!!!」
変わり果ててしまった少女から目を背けるように、決断を迫るナイフから逃れるように、切嗣はその場から走り去った。この悪夢を解決してくれる大人がいるはずだと自分を奮い立たせ、ただひたすらに駈けた。冷静な自分が「彼女のことは諦めろ」と囁く声を己の悲鳴で掻き消しながら、必死に神父の教会を目指した。
だから、背後のシャーレイに起きた変化に気付くこともなかった。
‡シャーレイサイド‡
「いったい全体、何がどうなってんだ?雁夜おじさんはどこだ?桜ちゃんは?」
ポニーテールの頭をボリボリと掻いて、よっこらしょと億劫に立ち上がる。眠るまでは兜を被ってたはずなんだけど、今は生身のようだ。なんだか口の中に鉄の味を感じる。ついさっきまで自分の腕を噛んでたせいだろう。どうしてそんなことをしていたのやら。
足元には無残に食い散らかされたケンタッキー(調理前)が散乱してる。近くに落ちていたナイフを拾って刀身を覗けば、赤い目をした少女がこちらを覗き返してきた。
「ははあ、なるほど。今度はシャーレイに憑依する夢か。夢の中で眠ってまた夢を見るってのも変な話だな」
栗色の髪と白蝋のような不気味な肌は、原作の描写そのまんまだ。静脈が浮き上がっている様子は、まるで顔中に亀裂が走ってるみたいだ。バーサーカーとなった俺は雁夜おじさんの家で居眠りをしていたはずが、気付いたら死徒化したシャーレイになっていたというわけだ。まったく訳がわからないぜ!
「夢の中の夢とはいえ、俺の夢には違いない。ここでも好きにさせてもらおうじゃないの!」
そう言い放ち、足元のケンタッキー(調理前)をひょいパクと少しつまみ食いして腹を満たすと鶏小屋を飛び出してすぐさま遁走を開始する。死徒化したこの身体は身体能力が高いから、バーサーカーの時には及ばないまでもそれなりに速く動けるのだ。
原作通りなら、この後すぐに神父からの連絡で聖堂教会がやって来て、その動きを嗅ぎつけた魔術協会が追いかけてくるはずだ。そして二大勢力が死徒殲滅と証拠隠滅のためにこの島を亡き物にして、それから逃れた切嗣は衛宮矩賢―――自分の父ちゃんを殺してナタリアさんと一緒に島を出るんだっけか。
俺は誰かを死徒化させたりなんかしてないけど、俺がシャーレイに憑依する前にすでに誰かを襲ってたのかもしれないし、「死徒化してようがいまいがそんなの関係ねえ!」と問答無用で二大勢力が住人を皆殺しにするかもしれない。それに巻き込まれる前に脱出しなければ命はない。殺されてたまるもんか!シャーレイはクールに去るぜ!
「たしか衛宮父ちゃんがボートを隠してるはずなんだよな。お、あったあった」
海岸をウロウロしていると、迷彩柄のシートに隠された掘っ立て小屋の中に小型のモーターボートを見つけた。闇夜でも視界がハッキリ見えるようになってるから案外簡単に見つけられた。死徒便利すぎワロタ。
「なんじゃこりゃ!ろくに整備もされてないじゃないか!よしよし、ここは舶用機関整備士とマリン船体整備士と船舶電装士の資格を持つ俺が手を加えてやろうじゃないか!」
衛宮父ちゃんは機械には精通していなかったようで、小型のモーターボートは「動けばいい」というような状態で放置されていた。これじゃあ、洋上で動かなくなても文句は言えない。幸いなことに、掘っ立て小屋の中には工具やガラクタみたいな機械が転がってる。これを役立てないわけにはいくまいて!
「光をかざして~躊躇いを消した~あげたかったのは~未来で~♪泣いてる夜抱いたまま~嘆きを叫んで~♪」
トンテンカントンテンカンとリズムをつけながらモーターボートを改造していく。機械いじりはいいね。心が洗われるようだ。そうだ、この夢が覚めて雁夜おじさんのところに戻れたら、どこかから車を持ってきて改造しよう。切嗣さんのとこから取ってきた武器も取り付けたり何たりすれば、もしもの時に良い戦力になりそうだ。ギルガメッシュのヴィマーナもライダーのゴルディアス・ホイールも健在だしね。名前は、そうだなぁ、『バーサーカー・ホイール』なんていいかもしれん。
「んむ?」
ふと、何やら複数の声がこちらに近づいてることに気付いた。
「こっちから物音がしたぞ!」「下手くそな歌も聞こえた!」「魔術協会の連中もいるぞ!先を越されるな!」
「聖堂教会の奴らがいるぞ!」「死徒の生き残りがいるのかもしれん!」「奴らより先に殺せ!」
ムカッ!カラオケ歌唱力検定で一級をとった俺の美声を下手くそだとな!?耳が腐ってんじゃないのか!『oath sign』は神曲だっつーの!反論は認めん!
そっと窓から顔を出してみると、向こうの方からローブを着込んだ男たちとダークスーツの男たちが地面を滑るように駆け寄ってきてた。どちらも人間とは思えないくらい素早い動きだ。両組織から派遣された殺し屋だろう。もうこっちに気付いたのか。今の俺じゃあ太刀打ち出来ずに瞬殺されてしまう。ここはさっさと退散するに限るぜ。あばよ、とっつぁ~ん!
「シャーレイ号、発進!!」
手元のボタンを押した瞬間、ドラム缶を利用して造ったロケットが点火されて炎が一気に噴出する。ズドン!という爆発音を後方に置き去りにして掘っ立て小屋の壁を突き破り、そのまま空中に弧を描いて海面に激しく着地する。
使い終わったロケットを切り離してお手製の安定翼を展開させ、|船外機《エンジン》のスターターロープを思いっきり引っ張る。船外機では世界一のシェアを誇るヤマハ製のV-MAX SHOエンジンが唸りを上げて海水をかき乱し、ボートをグンと力強く押し出す。
|エンジン内部《ジャケット》を少しイジってやったからスピードは通常仕様とは段違いだ。航行速度は加速度的に早くなって、海岸の光も見る間に遠ざかってゆく。
「死徒が逃げだぞーっ!」「追え!逃がすな!」「絶対に殺せ!!」
「そう上手くはいかないんだなこれが。3、2、1、」
ドッカーン!!!
掘っ立て小屋の燃料タンクに仕掛けた手作りの時限爆弾が時間ピッタリに爆発して、海岸に巨大な炎の柱が現れる。海岸が昼間のように明るくなって、島全体が震えるほどの衝撃波を間近から受けた殺し屋の連中が宙高くに吹っ飛んでいくのが微かに見えた。
「ザマーミロ!他人の歌を馬鹿にするからそういう目に遭うんだ。反省しろよ!
……むむ、なんだか吐き気がするな。それに全身が痒い。そういえば死徒って吸血鬼みたいなもんだから水とか苦手なんだっけか?」
急に痒くなった肌をボリボリと掻きながら星座を見て位置と方角を確認して近場に島がなかったかを思い出す。こぐま座があの辺だから、もうちょっと北西に進めば大きな島があったはずだな。燃料はなんとか持ちそうだ。
とりあえず生き延びれそうだということで心に余裕が生まれたら、心配になるのはショタ嗣くんのことだ。凄い悲鳴を上げて俺から逃げていく悲しそうな背中が見えたし、アイツはこれから大変な人生を送ることになるわけだ。子どもの目が死んでいくのは気の毒だし、なんとかしてやりたいという気持ちもある。
「よし、決めた!ボチボチ死徒ライフを楽しんでからチャチャッと助けてやりますか!待ってろよ、ケリィ!!」
夜明け間近の暁の海を爆走しながら、俺は高らかに宣言したのであった!!
―――あちちっ!日光痛ぇ!死徒不便すぎワロタ!!
‡ショタ嗣サイド‡
『ひょっとすると、私ももう、ヤキが廻ったのかも知れないね。
こんなドジを踏む羽目になったのも、いつの間にやら家族ゴッコで気が緩んでたせいかもな。だとすればもう潮時だ。引退するべきかねぇ……』
「―――仕事をやめたら、あんた、その後はどうするつもりだ?」
魔術協会を相手に商売する、フリーランスの女ハンター―――それが、ナタリア・カミンスキーだった。実の父を殺した切嗣は、アリマゴ島から脱出した後はナタリアの元でハンターの助手として過ごした。同年代の少年少女らが多感な思春期を遊戯や勉学で過ごすところを、切嗣は徹底的な殺人の技術を叩きこまれて育った。彼の目から若者の光は消え、沈鬱に枯れたガラス玉のような眼球があるだけだ。
世界ではアリマゴ島で起きた悲劇は珍しくもなく、今この瞬間も身勝手な魔術師たちが災厄を振りまいては二大組織がそれを抹消し、時には利用しようと暗躍して大勢を殺し尽くしている。それを知ってしまった今、たった一人の肉親をこの手で殺したことに価値を見出そうとするのなら、父と同じ異端の魔術師を全て殺し尽くす必要があった。
『失業したら―――ハハ、今度こそ本当に、母親ゴッコぐらいしかやることがなくなるなぁ』
修羅の道を決意した少年を、ナタリアは厳しい師として鍛え続けた。甘やかすことも手抜きもせず、本気になって切嗣に己の技術を仕込み、見守ってきた。血と硝煙に塗れた日々ではあったが、互いが互いを心の中では家族のようだと思っていた。
「あんたは―――僕の、本当の家族だ」
その家族が必死に操縦するジャンボ機を、切嗣は洋上に浮かべたモーターボートから携帯式ミサイルで狙っていた。ブローパイプ・ミサイルの照準器を覗きこみ、遥か向こうに見える小さな機影―――エアバスA300にレティクルを合致させる。
この日、ナタリアは封印指定の魔術師をジャンボ機の中で暗殺する仕事についていた。しかし、魔術師は死に際に使い魔の蜂を解放させ、乗客を次々に死徒化させた。ナタリアは無事なものの、残りの乗員乗客は全て死徒と化してしまった。ナタリアは自分が生き残るために空港に着陸する腹積もりらしいが、切嗣にはそれは認められなかった。数百人に及ぶ死徒が一斉に地上に解き放たれれば、周囲一帯に地獄が生まれるのは火を見るより明らかだ。アリマゴ島の悲劇が何倍にもなって再び切嗣の前に現れることは、断じて阻止しなければならない。切嗣はそう判断し、ナタリアを確実に殺すべくこうして携帯式ミサイルを持ってジャンボ機を狙っているのだ。
それはどうしようもなく正しいことだった。たった一人を犠牲にして大勢が助かるのなら、そうすべきだ。あの時、自分がシャーレイを殺しておけば大勢が死ぬことはなかった。その失敗を繰り返してはならない。ナタリアと過ごした日々が瞬く間に脳裏を過るが、引き金にかけられた切嗣の指が狂うことはない。今の切嗣は、天秤としての役割を果たすだけの正義の傀儡だ。
照準器が小さな電子音を立ててターゲットを|捉えたこと《ロック》を知らせる。反射的に引き金に力がかけられ、
―――ゴボゴボゴボ
「……え?」
不意に、船体のすぐ横の海面がボコボコと泡立った。海底火山からの噴出にしては小さいし、海棲生物によるものにしては大きい。例えるなら、これは―――ダイバーが浮き上がってくる際に見られる前兆によく似ている。
その符号に気付いた切嗣は一瞬だけ逡巡し、ロックを解除したミサイルから手を離して腰の9ミリ拳銃を抜き放つと海面に突きつける。睨み据える視界の中で、何者かの黒い影がゆっくりと海面に近づいてくる。
果たして海面から顔を出したのは、
「―――ぷはぁ!やっほー、ケリィ。元気してた?」
「―――は?」
かつて恋した女で、かつて殺してやれなかった死徒が、そこにいた。
さすがの切嗣もこんな事態は想定の範疇になかった。まさか再会できるなど思ってもいなかったし、ましてやこのタイミングでこの場所に彼女が現れるなど、どうして予想できようか。
目をパチクリとさせて硬直する切嗣を置いてきぼりに、ダイバースーツを着込んだシャーレイがよっこいしょとモーターボートに乗り込んでくる。その反動で船体がゆらりと揺れて、彼女が亡霊や幻覚の類ではないことを切嗣に教える。
彼女との再会を喜んでいいのか悲しんでいいのか、懐かしんでいいのか嘆けばいいのか、判断がつかない。混乱する感情を無理やり隅に押しのけることで既の所で冷静さを維持した切嗣が、シャーレイに疑問をぶつける。
「なぜ君が生きてるんだ!?君は、父さんの試薬に触れて死徒になってしまって、アリマゴ島で殺し屋たちに処理されたはずじゃ……!?」
呆然と問いかける切嗣に、シャーレイは「ああ、そのことね」とまるで世間話をするようにあっけらかんと答える。
「どうやら私、死徒化に成功したらしいのよ。吸血衝動も克服しちゃったわ。健康管理士の資格は伊達じゃないってことね。
それと、島の南側の海岸で爆発があったのを覚えてる?あれ私がやったの。ケリィのお父さんが隠してたボートを使わせてもらったついでに、ちょちょっと仕掛けをしたわけよ」
まるでイタズラの告白をする子どものように歯を見せて笑ってみせる。
そういえば、島から逃げる際に後方から大きな爆発音が聞こえたのを覚えている。後で聞いた話では、アリマゴ島での死徒殲滅の際に聖堂教会と魔術協会の殺し屋が爆発事故に遭い、多くの重軽傷者が出るという不祥事があったらしい。まさか、それがシャーレイの仕業であったとは思わなかった。
彼女はこんな素っ頓狂な性格だっただろうかと内心で首を傾げながら、さらに問う。
「き、君が生き延びた理由はわかった。でも、なぜ僕がここにいるとわかったんだ?どうしてここに来たんだ?」
「あれ?約束、忘れちゃったの?」
「約束……?」
ボートの縁に腰掛けて不可解なことを告げるシャーレイを凝視する。その明るさも、容貌も、体格も、切嗣が最後に見た時から何も変わっていない。見た目だけでは、切嗣の方が年上に見える。成長が止まっているのは、彼女が未だに死徒である証拠だ。
死徒は殺さなければならない、と強迫観念のような衝動に銃を保持した腕が自動的に持ち上がるが、その前にジャンボ機を撃墜しなければ間に合わなくなると理性が叫び、シャーレイを失いたくないと感情が密かに涙する。
様々な要因と逼迫した状況に銃口が震える。苦悩に眉を寄せて拳銃を突きつけてくる切嗣に、シャーレイは微笑んだままそっと手を伸ばす。白蝋のように白く細い指がまっすぐに切嗣の目を指さす。
「“大人になったケリィが何をするのか、この目で見届けさせて”。そう言ったでしょ?
それで、大人になった君は、今何をしようとしてるの?」
「―――あ―――」
眩い日差しの中で彼女と約束を交わした情景が眉間を貫いた。衝撃に意識が揺らぎ、グラリと姿勢がよろめく。
誰よりも大切だった彼女に誓おうとした衛宮切嗣の原点が、よりにもよって彼女から突き付けられる。今では磨り減ってしまった在りし日の決意の煌めきが、彼女の笑顔を通して切嗣の目の前に立ちはだかる。
「僕は―――『正義の味方』になりたかったんだ―――いや、今からなるんだ―――だから、こうして、大勢の命を救うために、ナタリアを―――母さんを―――」
彼女に打ち明けたかった夢のはずなのに、口にすればするほど自分が消えていくような気がした。空虚な台詞を吐き出す度に、大切な何かが切嗣の心から抜け落ちていく。
語尾に至るに連れて小さくなるその言葉を、シャーレイは「ふむ」と一度頷いて受け止めた。受け止めて、「やっぱりケリィはまだまだだね」と呆れて頭を振るう。
「ケリィ、自分の顔を見てみなよ。ほら」
言って、ダイバースーツのポーチから短剣を抜いて寄越してくる。忘れようもないその銀製の飾りナイフは、昔のままの美しさで切嗣の顔を刀身に映し込む。
「『正義の味方』ってのは、普通そんな顔はしないと思うよ?」
「―――ッ」
そこに映っているのは、変わり果てた| 殺 人 者 《セイギノミカタ》の顔だった。表情を殺されて硬化した顔面の中で、血走った瞳だけがギラギラと昏く燃えている。
遥か昔に夢見ていた英雄の姿とは似ても似つかない醜い人殺しの顔に、切嗣は軋るような呻きを漏らして後退る。
旅客機を撃墜することは、どうしようもなく“正しい”ことだ。大勢の無辜の人間を守護するために、例え母親同然の女性をこの手で犠牲にする必要があるとしても、その行いには大義があった。これを『正義』と呼ばずして何と言うのか。
幼い頃に夢見ていた弱者の為に戦う|英雄《ヒーロー》などどこにもいなかった。最大の救済を得るために最小の犠牲を切り捨てる冷酷な天秤こそ、切嗣が過ぐる日に憧れていた『正義の味方』の正体だった。
憧れ求めた|理想《ユメ》の真実を知り、その理想の担い手となる己の醜い顔を突き付けられた切嗣に、シャーレイは労るように優しく語りかける。
「ケリィはそんな顔をする大人になりたかったわけじゃないでしょ?今ならまだ間に合うよ。引き返せはしないけど、違う道を選ぶことはできる。ナタリアさんのことだって、きっと―――」
「だったらどうしろって言うんだよ!!」
叩きつけるような叫びがシャーレイの台詞をかき消した。目を丸くするシャーレイの肩を乱暴に掴み、胸の内で渦巻く激情を迸らせる。
「助けに行けるのなら行きたい!ナタリアにまた会いたい!面と向かって母さんって言いたい!でも、ダメなんだ!」
本音を漏らしたことでついにタガが外れたのか、涙が溢れ、声が嗚咽に震える。
「ナタリアはあの旅客機の中にいて、あの中には死徒が満載されている!あのままナタリアが生き残って空港に着陸してしまえば、一気に死徒が解き放たれ、倍々ゲームで増えていって、地上に地獄が生まれてしまう!
夢はただのユメでしかないんだ!どんなに崇高な理想を掲げたって、人間一人に出来ることなんてたかが知れてる!全てを救うことなんて出来やしない!やるしかないんだ、殺すしかないんだ!だから僕は―――」
「最後まで話を聞かんかクソガキ!!」
「あイりッ!?」
今度はシャーレイが切嗣の台詞を遮った。「だからお前は阿呆なのだ!」と言わんばかりの容赦のない鉄拳が顔面に炸裂し、切嗣の身体を吹っ飛ばす。ボートのデッキにもんどり打って倒れ込んだ切嗣をシャーレイが強く見下ろす。
「ケリィ、一人で何もかも背負い込もうとするのは君の悪いところだよ。アニメの主題歌でもあるでしょ?『考えてもごらん、仲間は素敵だね。一人より大勢、強いに決まってる』って」
「……なにそれ」
「地獄先生ぬ~べ~くらい見とけやクソガキ!!」
「いりヤッ!?」
死徒の腕力で放たれた強烈なビンタに頭がグラグラと揺れる。親父にもぶたれたことないのになぜシャーレイにここまでビシバシ引っぱたかれなければならないのかと朦朧とする頭で考えていると、目の前に白蝋のような白く細い手が差し出された。見上げれば、まるで姉のように嫋やかな微笑みを浮かべるシャーレイが切嗣の瞳を見つめていた。
死徒になっても変わらない優しげな表情に、切嗣は無意識にその手をとる。冷たくて、けれども柔らかい女の手だった。
「要するに、誰かと協力すれば不可能も可能になるってことよ。まあ、今回はシャーレイお姉さんに任せなさい」
「……どうするんだ?」
「いいからいいから。ちょっと無線機貸してくれる?」
言われるがままに無線機を渡す。何の確証もないはずなのに、なぜかシャーレイに任せれば解決するのではないかと思えてしまう。
「シャーレイ、旅客機がミサイルの射程圏内から出てしまうまで時間がない。やるなら早くしてくれ」
「おk。あーあー、ナタリアさん、聞こえますか?私、ケリトゥグ君のお友だちのシャーレイって言います」
『はあ?待て待て、まるで状況が掴めないんだが。いきなり切嗣と通信が切れたと思ったらいったいどうなってんだ?』
「混乱するのは当然だと思うのですが、そこは華麗にスルーしましょう。突然ですが、私は今あなたの乗ってる飛行機を携帯式ミサイルで狙っています。撃ち落とされたくなかったら私の指示に従って洋上に不時着してください」
「ちょ、シャーレイ!?」
「黙ってろクソガキ!!」
「まイやッ!?」
顔面中央に強パンチを受けて「前が見えねえ」状態になった切嗣を放置して、シャーレイは続ける。
『無理に決まってる!そんな高度な操縦は私にはできない!』
「大丈夫です、安心してください。私は事業用操縦士資格と運航管理者資格と航空管制官の資格を持ってますから、誘導なんて朝飯前ですよ。ほらほら、撃ち落とされたくなかったら指示に従う!まずはスロットルレバーをゆっくり下ろして―――」
………
……
…
結果だけを先に述べるなら、シャーレイの無茶苦茶な作戦は何とかなってしまった。170トンを超える鉄の塊の不時着によって生じた波に揺られながら、切嗣は洋上にプカプカと浮かぶジャンボジェットを呆然と見上げていた。
~ Comment ~
>ゼミルさん
コメント感謝です!コメント貰えたのでこの記事は消しません!
>テクニカル
実はこれの案はずっと前からありました。今回、フラグを敷設できたことでよりスムーズに劇中に登場させることができるようになります。ゴルディアス・ホイールならぬバーサーカー・ホイールをお楽しみに!
>相変わらずな中身
バーサーカーの中の人のテンションは常に変わりません。書いてると、段々ヒャーリスに近くなっていくから困ります。書いてて楽しいキャラだけどwww
>アウトバーン・コップ
戦闘機まで使うとは……さすがドイツ版西部警察。やることがいちいちパネエ。久しぶりに観たくなりますた。あの二人組はまだまだ元気にアウトバーンぶっ飛ばしてるのかなあ。
コメント感謝です!コメント貰えたのでこの記事は消しません!
>テクニカル
実はこれの案はずっと前からありました。今回、フラグを敷設できたことでよりスムーズに劇中に登場させることができるようになります。ゴルディアス・ホイールならぬバーサーカー・ホイールをお楽しみに!
>相変わらずな中身
バーサーカーの中の人のテンションは常に変わりません。書いてると、段々ヒャーリスに近くなっていくから困ります。書いてて楽しいキャラだけどwww
>アウトバーン・コップ
戦闘機まで使うとは……さすがドイツ版西部警察。やることがいちいちパネエ。久しぶりに観たくなりますた。あの二人組はまだまだ元気にアウトバーンぶっ飛ばしてるのかなあ。
はじめまして(^_^)♪
いつもバーサーカーの小説を
楽しく見ています!
サイトのリンクから
コッチに来まして
更に楽しい物を発見できて
感謝です♪
この記事の続きが
気になる(^_^)!!!!
ts。自分もハードディスクを
一年に中破、
この前、小破して中のデータを
失いました(前回は全データを、
今回は一部です。)
あの絶望感はナイ(T_T)…
楽しく見ています!
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コッチに来まして
更に楽しい物を発見できて
感謝です♪
この記事の続きが
気になる(^_^)!!!!
ts。自分もハードディスクを
一年に中破、
この前、小破して中のデータを
失いました(前回は全データを、
今回は一部です。)
あの絶望感はナイ(T_T)…
>凪さん
ついに発見してしまったんだね、このカオスなブログを!
この小説の続きは何とか明日の朝までにはうpしたいです。眠気に勝てるか不安だけど。読んでいただければ幸いです。これからも当ブログを宜しゅうお願いしやす。
パソコンのデータ破損は本当に怖いですよね。あれから外付けHDDをもう一つ増設してデータを随時移すことにしてます。一万円以上したけど、あの悲劇を繰り返さないためだと思えば安い投資だと信じたい。
ついに発見してしまったんだね、このカオスなブログを!
この小説の続きは何とか明日の朝までにはうpしたいです。眠気に勝てるか不安だけど。読んでいただければ幸いです。これからも当ブログを宜しゅうお願いしやす。
パソコンのデータ破損は本当に怖いですよね。あれから外付けHDDをもう一つ増設してデータを随時移すことにしてます。一万円以上したけど、あの悲劇を繰り返さないためだと思えば安い投資だと信じたい。
せっかくバーサーカーいつも
面白く拝見させてもらってます。
今回も投稿キターと思ってみたらなんと今度は
シャーレイに憑依!?どうやってナタリア助けるん
だろ?完成版楽しみに待ってます。
後“荷車の騎士”の荷車登場フラグが
たちましたね。空対地じゃかなり不利だろうけど
バーサーカーならきっと思いもよらない手で
相手を翻弄してくれるはず!
面白く拝見させてもらってます。
今回も投稿キターと思ってみたらなんと今度は
シャーレイに憑依!?どうやってナタリア助けるん
だろ?完成版楽しみに待ってます。
後“荷車の騎士”の荷車登場フラグが
たちましたね。空対地じゃかなり不利だろうけど
バーサーカーならきっと思いもよらない手で
相手を翻弄してくれるはず!
>蛸子屋さん
読んでいただき感謝です!ナタリアさんは五体満足で元気満々に生き残りますので、お楽しみに!!
バーサーカーホイールVSヴィマーナ戦の構想はだいぶ前から固まっていました。読者の人たちがあっと驚くような面白い戦いにしたいと思いますので、こちらもどうかお楽しみに!!
……自分でハードル上げちゃって大丈夫なのだろうか……。
読んでいただき感謝です!ナタリアさんは五体満足で元気満々に生き残りますので、お楽しみに!!
バーサーカーホイールVSヴィマーナ戦の構想はだいぶ前から固まっていました。読者の人たちがあっと驚くような面白い戦いにしたいと思いますので、こちらもどうかお楽しみに!!
……自分でハードル上げちゃって大丈夫なのだろうか……。
チラ見させていただきましたw
向こうにも書きましたがシャーレイネタ メモの記事に妄想ワードを追加更新するぐらいしかできないんでうれしいです!
てかシャーレイテンションたかっw
向こうにも書きましたがシャーレイネタ メモの記事に妄想ワードを追加更新するぐらいしかできないんでうれしいです!
てかシャーレイテンションたかっw
- #193 yoshiaki
- URL
- 2012.05/16 02:38
- ▲EntryTop
>yoshiakiさん
今日か明日にはなろうにうpできそうな感じです!アイディアをいただいたyoshiakiさんのお名前もしっかり公表しますよ!
今日か明日にはなろうにうpできそうな感じです!アイディアをいただいたyoshiakiさんのお名前もしっかり公表しますよ!
いやはや4次verのバーサーCARフラグが立ってしまったか… カオス期待!
浮上次の台詞のしょっぱな見てニャル子さんの台詞がまたもや来たと早合点してしまいました。
あの台詞は汎用性高くて困る
白銀共々楽しみにしてます! (地味にSの続きが気になってしょうが無いっす
浮上次の台詞のしょっぱな見てニャル子さんの台詞がまたもや来たと早合点してしまいました。
あの台詞は汎用性高くて困る
白銀共々楽しみにしてます! (地味にSの続きが気になってしょうが無いっす
>シャーレイ本人に切り替わるとその後は、どうなるんだろう?
これもちゃんと考えております。ご安心を!シャーレイ(大学生Ver.)は書いてて楽しいキャラクターですが、他の作品の主人公のヒャーリスと重なりそうになるのでちょっと扱いづらいキャラクターでもあります。
でも、また使える機会が来れば登場してもらいたいです。
>名無し人生さん
ニャル子可愛いよニャル子。でもクー子もハス太も捨てがたい……うぬぬ!
4次VerバーサーCARのネタバレを少しさせていただくと、メーカーはスズキです。スズキ製の車体がどのようになるかは後々のお楽しみです!
そして、白銀の討ち手Sを覚えていただいてありがとうございます!!実は、数カ月前のパソコン故障の際にファイルがなくなってしまい、Word文章が消えてしまうという悲劇に見舞われています。メモ帳に保存していた分はセーフでしたが、Wordの方でけっこう書き進めていただけにショックが大きいです。どんな展開だったかを思い出しつつじっくり書いていきますので、どうか気長にお待ちくだしあ><;;
これもちゃんと考えております。ご安心を!シャーレイ(大学生Ver.)は書いてて楽しいキャラクターですが、他の作品の主人公のヒャーリスと重なりそうになるのでちょっと扱いづらいキャラクターでもあります。
でも、また使える機会が来れば登場してもらいたいです。
>名無し人生さん
ニャル子可愛いよニャル子。でもクー子もハス太も捨てがたい……うぬぬ!
4次VerバーサーCARのネタバレを少しさせていただくと、メーカーはスズキです。スズキ製の車体がどのようになるかは後々のお楽しみです!
そして、白銀の討ち手Sを覚えていただいてありがとうございます!!実は、数カ月前のパソコン故障の際にファイルがなくなってしまい、Word文章が消えてしまうという悲劇に見舞われています。メモ帳に保存していた分はセーフでしたが、Wordの方でけっこう書き進めていただけにショックが大きいです。どんな展開だったかを思い出しつつじっくり書いていきますので、どうか気長にお待ちくだしあ><;;
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テクニカル(武装車両)登場フラグwそしてTSしても相変わらずだな中身w
…所でシャーレイって結構胸ありますよね(何処見とるか。
このままケリィが改心…というかナタリアが生存したら今度はアインツベルン入り&イリヤ誕生フラグが折れそうな気が。
だって確かナタリアってケリィの事が実は異性として好きだったって設定があったって聞いた事が。
それはともかく今から完全版の歓声が待ち遠しいですハイ。
>アウトバーン・コップ
アレって本当は野郎2人の方が本編で男女コンビの方はスピンオフだったりします。まぁ面白さとかアクションの規模に差は大してないからいいんですけど。
なお最新シリーズではタイフーン(だった筈)戦闘機の実物まで登場。パネェ。